春の朝日に導かれるような登坂だった。舞っていた名残雪の消えた栗東坂路。青空に見守られ、
ストレイトガールが真っすぐな蹄跡を描いていく。併走していた
ダノンムーン(6歳1000万下)を振り切り、馬場の中央をストレスなく加速。
バランスを巧みに保ってピッチを上げ、後半の2Fを12秒5-12秒1でまとめて見せた。4F51秒3-37秒7-12秒1で3馬身先着。理想的な構成で満点リハを完成させた。
「最後は仕掛けましたが、納得の反応をしてくれました。体はしっかりとしていますし、落ち着いているのが何よりだと思います」。
感触を確かめた岩田はイメージ通りのアクションだったと振り返り、こう言葉をつないだ。「とにかく良馬場で。それがかなうようなら」と。1番人気に支持された昨年は不良馬場での戦いとなり、結果は3着。懸命に脚を伸ばしたが、タイトルはつかめなかった。
送り出す藤原英師にとってもそれは苦い記憶として残ったままになっている。「どう調整すればいいパフォーマンスができるのかを考えてやってきましたが、動きは良かったと思います。昨年も頑張ってくれていますが、何とか良馬場でという気持ちです」。あれから1年。年齢をひとつ重ね6歳となったが「見た目も動きも年齢を意識させません」と前を向いた。前回の
香港スプリントは善戦及ばずの3着。だが、ホームでの戦いとなる今回は、立場が逆転する。輸送、調整面を含め、プラス
アルファは少なくない。
母ネヴァーピリオド、祖
母フューチャハッピーは、いずれも廣崎オーナーの所有馬。「オーナーの夢のためにも」という思いをトレーナーは、ずっと持ち続けてきた。大願成就へ-。中京で短距離女王へと上り詰める。
提供:デイリースポーツ