これが追い切りかと思うような軽めのアクションだった。香港のエアロヴェロシティは、中京競馬場の芝コースで単走で追われたが、ソフトな内容だった。
午前6時半過ぎ、落ち着いた姿で芝コースに現れ、向正面では大外へと進路を取ると、芝に蹄跡を残しながら、馬場状態と手前をチェックしてゆったりと走った。直線でもトップスピードへと上げることはなく、サラッと流しただけ。4F57秒5-43秒2-13秒8と全くの馬なりだ。
「輸送を考慮して少し抑えました。地元の香港でバリア
トライアル(芝1200mの模擬レース)を使っての来日で、内容は地元のメニューとほぼ同じ」。オ
サリバン師は予定通りと説明した。
来日直前の10日に実戦形式の模擬レースを消化してきた。ポイントはそこにある。
パンチー・ン助手によれば「模擬レースを使って調教は軽め。この馬はそのパターンでいつもうまくいっている」と言う。
課題とされた香港から約10時間の空輸で、到着時は体が減って神経質になっていたが、26日の追い切り後の計測で540キロ。前走時に戻した体重にオ
サリバン師は「カイバの食いも良く、満足している」とうなずいた。
左回りもニュージーランドでのデビュー戦1着で克服済み。それどころか「右回りでは直線で右手前に替えるところがありますし、コーナーで外にもたれる。きょうの手前替えはスムーズだったし、左回りの方が合いそうな感触はあります」とン助手は前向きだ。
レーティングは118。この数字は日本馬で最高順位の
コパノリチャード(117)を上回る。昨年の
香港スプリントを制するなと、実績は上位。ソフトな追い切りがマイナスにならないとすれば、日本馬にとって最強の敵となる。
提供:デイリースポーツ