――角居先生、ドバイへおかえりなさい。最初に4年前の
ドバイワールドカップを振り返ってください。
角居「あのときはレース直前に東日本大震災があり、日本全国が"競馬をやっていていいのか"、そんな雰囲気がありました。我々日本チームは日本を勇気づけるための競馬をしようと一丸となりました。そして、わたしの馬が勝たせていただきました」
――4年前とは違う状況ですから、今回は違う気持ち来られていると思います。今回のメンバー、
カリフォルニアクロームなどの一流馬が揃っています。先生から見て今回のレースはいかがですか?
角居「オールウェザーのタペタからダートに変わるということで非常にわからないことがたくさんあるレースです。
ジャパンカップではタフさが要求される中で力強い競馬をしました。その
ジャパンカップで騎乗してもらったスミヨン騎手のアド
バイスもあっての参戦です。アメリカの強い馬と力比べできるというのは楽しみです」
――ドバイ到着後、馬は環境に慣れましたか?
角居「到着直後はフレッシュ過ぎて元気が余っていたようですが、だんだん環境にも慣れて非常にいい状態だと思います」
――日本で競馬を走っている馬なので既に大観衆の中で走っていると思いますが、レース当日はたくさんの観衆が集まり賑やかです。
角居「花火にはまだ慣れていないので大変かな、と思いますが。輸送は香港遠征でも経験していますし、環境への馴致はこれまでの経験がありますから」
――今年の花火はワールドカップが終わったあとに打ち上げられます。
角居 (笑)
――いちばん強い競馬をしたのは2400mの
ジャパンカップでした。なのになぜ、シーマクラシックではなくワールドカップに参戦するのですか?
角居「
ジャパンカップと
菊花賞を勝っていますが、ひじょうに引っかかりやすい馬なのです。ヨーロッパの馬がくればさらにペースが遅くなる可能性があるのだとすると、速い流れのアメリカ馬のいるワールドカップのほうが競馬しやすいのかな、と考えました」
――今回のワールドカップには、日本からは
ホッコータルマエも参戦します。どういうふうに比較をしていますか?
角居「
ホッコータルマエは先行力があります。日本のsandに近いダートコースで勝ってきた馬です。
エピファネイアは力のある(パワータイプの)芝馬です。(2頭は)タイプが違うので、どういう競馬になるかは私もやってみないとわかりません」
――新しいコースの感想は?
角居「触った感触はアメリカのダートとは違うなと感じました。スピードが出るわりにずっと力が必要だな、という馬場ですね。しっかり走りきれる馬じゃないとこなせないと思いました」
――実際に調教で新しい馬場に適応していますか?
角居「だんだん慣れてきましたね」
――どれくらいチャンスはあると思いますか?
角居「わかりません」
――今回もスミヨン騎手が騎乗しますね。
角居「世界の名手ですね。今回のオファーにはギリギリまで答えが貰えなかったんです。
ジャパンカップで結果を出してくれているジョッキーですし、光栄に思います」
(取材・文:花岡貴子)