――では、お願いします。
西浦「その前に少しいいですか? 昨年、タルマエがお世話になったモハメド殿下、ドバイレーシングクラブ、入院したゴドルフィン病院の皆さんに感謝を申し上げます。そのおかげでまた、こうやってドバイに挑戦することができました」
――昨年の
ドバイWCについて振り返ってください。
西浦「昨年はレースも4コーナーまでは完璧な騎乗で、“これなら通用するんじゃないか”と思っていたのですが、まだタルマエ号は力不足で最後方に負けてしまいました。でも、そのあとコースがタペタからダートに変更ということで再チャレンジするきっかけになりました」
――昨年、
ドバイWC直後の疝痛から復活する過程について教えてください。
西浦「まず、いろんな方々の力を借りながら十分な時間をかけて体力の回復と馬にあったトレーニングを行いました。その後、
JBCクラシックを経て
チャンピオンズCを勝った段階で、ドバイにまた挑戦したいということになりました。その後はドバイを意識した距離のレースを使ってきました。1月の
川崎記念のレース後から3月までの2か月間は
リラックスさせて馬の走る気持ちをつくるように意識してきました」
――いまの状態はいかがですか?
西浦「いまタルマエは本当に
リラックスしています。“昨年の雪辱を果たしたい”という気持ちかどうかはわかりませんが、すごく“早く走りたい”という気持ちが伝わってきます」
――体調を崩してから、どの時点でもう一度復活できると思いましたか?
西浦「タルマエの内面ですね。競走馬としての生命力…。ドバイで治療にあたってくださった方々も含めて、これまで関わってきた人々のおかげで、うまく早いうちに
ホッコータルマエ自身が“再び走りたい”という気持ちになれた。その時点で復活できると思いました」
――
ドバイWCでの相手は?
西浦「全てです」
(取材・文:花岡貴子)