若き才能が輝いた。「第63回
日経賞・GII」(芝2500m)は28日、中山11Rに12頭で争われ、中団を追走した4番人気の4歳馬
アドマイヤデウス(栗東・橋田)が直線で突き抜けて快勝した。横山典&
フラガラッハの奇襲とも言える逃げでレースは開幕。5F通過が60秒0と平均ペースの流れを、中団でじっくりと待機。勝負どころで大外から勢い良く進出すると、直線では岩田のステッキに応えて1頭だけ際立つ脚色で加速。鮮やかに抜け出して勝負を決めた。刻んだ2分30秒2のタイムは、従来の記録(09年
アルナスライン)を実に1秒も更新するレースレコード。昨年の覇者で5番人気の
ウインバリアシオンが地力を見せて1馬身3/4差の2着。さらに頭差の3着には昨年の2着馬で6番人気の
ホッコーブレーヴが入った。なお、1番人気に推された
サウンズオブアースはゴール前で強襲するも、さらに頭差の4着だった。
「行く馬がいなければ(ハナを)主張しようと思っていた。どんな競馬でもできる」と自信にあふれた口調でレースを振り返ったのは岩田。橋田師も「岩田君が上手に運んで、この馬のいいところを引き出してくれたね」と満足そうに語った。
昨春は
皐月賞9着、ダービー7着。ともに勝ち馬から3馬身程度の差に奮闘したが、骨折により秋競馬を棒に振った。それでも、戦列に復帰してからは
日経新春杯-
日経賞とGIIを連勝。GIの常連馬を撃破したことで期待は大きく膨らむ。
次戦はもちろん、優先出走権を得た
天皇賞・春(5月3日・京都、芝3200m)。韓国・済州島に渡ったGI7勝馬の
父アドマイヤドンは主に中距離で良績を残したが、鞍上は淀の2マイル克服に自信を隠さない。「今回以上にいい競馬ができると思う。距離は長ければ長いほどいい」と言い切った。
提供:デイリースポーツ