リアルスティールは福永を背に、栗東坂路で併せ馬。道中はふらつくシーンもあったが、
ブリンディス(3歳未勝利)と馬体を併せ、鞍上の
ゴーサインとともに力強く加速する。ゴール前でステッキが抜かれると、そのアクションにもすかさず反応して、もうひと伸び。0秒5先着を果たした。
重いチップをものともせず、刻まれたのは4F52秒1-37秒8-12秒3の好タイム。「抜け出してからもたれたり、まだまだだな、という点はある。能力は高い馬で、そういうところが修正されれば走ってくると思うが、現時点ではこんな感じ」と鞍上は最終デモを振り返った。期待が高いからこそ、
ジャッジが少々辛口になるのは当然だろう。
自身の
皐月賞父子制覇も懸かる鞍上は、追い日以外にも、積極的にまたがってシンクロ度を高めてきた。「日替わりで動きにバラつきはあるが、順調にきているし、2週前の追い切りよりもいい」と状態面について太鼓判。本番に向けて一層自信を深めた様子だ。
前哨戦のうっぷんを晴らしたい。
スプリングSは、2歳王者
ダノンプラチナをマークする策が裏目に出て首差2着。「馬券を買ってくれたお客さんに対する申し訳なさ、そして負けて悔しかったこと以外はいい
トライアルだった。試したかったことが全部クリアできたので」と矢作師は再度の中山内回り攻略に腕をぶす。惜敗を糧としたい考えだ。
12年ダービーを制した
ディープブリランテに続いて、厩舎にクラシックタイトルを意識させる好素材。「久々に緊張していますよ。それだけの手応えを感じさせてくれる馬ですから。同時期の
ブリランテの方が完成されていたが、その分、
リアルスティールはもっと大きく化けそう」と指揮官は期待を膨らませた。
ディープインパクト産駒初の栄冠へ、西の大器が意気揚々と決戦の地に赴く。
提供:デイリースポーツ