ヴィクトリアマイルを制した
ストレイトガールは18日0時過ぎに栗東に到着した。
「栗東に戻ってからもカイバは食べているし、馬房の雰囲気もいつもどおりです」と田中博司助手。
ストレイトガールは馬房でゆったりと構え、時折自分で自分の脚を伸ばしてストレッチなどをしてくつろいでいた。
レース直前、ゲート裏でも田中助手は戸崎騎手と入念な打ち合わせを続けていた。
「戸崎騎手とは、折り合いに不安がなく操作性が高いから、“自分からここで競馬したい”というポジションを取りに行ってもいい。勝つんだったらこの位置で、というところで(競馬をして欲しい)と話していました」
戸崎騎手自身も追い切りに騎乗して
ストレイトガールの操作性の高さを感じていたとのことで、田中助手に「自信を持って乗ってきます」と言ってレースに挑んだそうだ。
ゲート入りに立ち会った田中助手は、ゲート横で扉が開くのを見守った。
「スタートの瞬間、並ぶ馬たちの中から
ストレイトガールのハナが見えました。スタートいいな、というのを確認して(移動のための)バスに乗り込みました」(田中助手)
直線半ば、
ストレイトガールは勢いよく駆け上がってきた。しかし、前をいく
ミナレットらにはまだ距離がある。
「でも、どんどん距離が縮まってくる。バスの中でひとりで叫んでいましたよ(笑)。最後、差し切ったときにはじんわり涙が出てきました」
晴れて、6度目の挑戦で初のGI制覇となった。
「やっと勝てた、という達成感がありましたね。昔でいう7歳牝馬にして、春のGIですからね。よく頑張ってくれました。また秋が楽しみです」
(取材・写真:花岡貴子)