「第64回
ラジオNIKKEI賞・GIII」(芝1800m)は5日、福島11Rに16頭で争われ、1番人気の
アンビシャス(栗東・音無)が直線で力強く抜け出して重賞初制覇。後続に3馬身半差をつける完勝劇で、トップハンデの評価に恥じない走りを見せた。勝ちタイムは1分46秒4。4番人気の
ミュゼゴーストが2着。さらに3/4馬身差の3着には12番人気の
マルターズアポジーが入った。
スタートがいまひとつだったために、ルメールはすぐに作戦を切り替えた。中団のインでロスなく運び、道中は全く動かない。勝負どころの3角過ぎから徐々に進出を開始。4角でわずかにスペースがあいた外へとリードすると、直線では1頭だけ次元の違う脚で突き抜けた。
「もう少し前でと思っていたけど、ペースが速く、結果的にあの位置が良かった。4角でうまく外に出せて、ストロングポイントのすごい瞬発力を発揮しました」と鞍上は納得の表情。自身も初めて騎乗した福島で土日6勝と大活躍。「面白かった。シーユー、
ネクストイヤー(また来年、会いましょう)!」と笑いが止まらなかった。
音無師は「オーナーが
日本ダービーは距離が長いと判断してここへ。ハンデは問題ないと思っていたが、勝てて良かった」と胸をなで下ろし、「きょうは流れも速くて折り合いがついたね。下がってくる馬がいて、どうするのかと思ったけど、そこしかないというコースを通り、完璧に乗ってくれた」と鞍上を絶賛した。
レース後は、そのまま福島県のノーザンファーム天栄へ放牧に出された。トレーナーは「2000mまでは大丈夫。3歳は斤量が軽いから」と話し、今秋は
毎日王冠(10月11日・東京、芝1800m)から
天皇賞・秋(11月1日・東京、芝2000m)に向かう公算が大きい。みちのく福島の
ビクトリーロードから、素質馬が大志を抱いて羽ばたいた。
提供:デイリースポーツ