18日、阪神競馬場で行われた
阪神牝馬S(3歳上牝、GII・芝1600m)は、
武豊騎手騎乗の2番人気
アドマイヤグルーヴ(牝5、栗東・橋田満厩舎)が中団追走から直線で抜け出すと、インを突いて脚を伸ばした4番人気
マイネサマンサに1/2馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは1分34秒5(良)。さらにクビ差の3着には3番人気
レクレドールが入り、圧倒的1番人気(単勝160円)に推された
ラインクラフトは、好スタートから果敢に先行するも直線で失速し4着に敗れた。
勝った
アドマイヤグルーヴは、
父サンデーサイレンス、母が96年
オークス、97年
天皇賞・秋(共にGI)を制した
エアグルーヴ(
その父トニービン)という血統。全弟に現4戦3勝の
サムライハート(牡3、栗東・伊藤雄二厩舎)、全妹に現7戦3勝の
イントゥザグルーヴ(牝4、栗東・伊藤雄二厩舎)がおり、従姉には
エガオヲミセテ(
父サンデーサイレンス、
マイラーズC-GII)がいる。また、半弟にあたる
エアグルーヴの2004(牡、
父ダンスインザダーク)は、04年セレクトセールにおいて国内セール史上最高価格となる4億9000万円で“
フサイチ”の冠名で知られる関口房朗氏に落札されている。
02年11月にデビューし、初戦で初勝利。翌年の牝馬クラシック戦線は、
桜花賞、
オークス、
秋華賞(いずれもGI)を3、7、2着に敗れ、クラシックは
スティルインラブの前に無冠に終わったが、4度目のGI挑戦となった
エリザベス女王杯(GI)で悲願のGI初制覇を飾っている。04年は
マーメイドS(GIII)を3馬身差で圧勝するほかにも、10月の
天皇賞・秋(GI)で
ゼンノロブロイの0.4秒差3着と牡馬相手に奮闘する活躍を見せ、11月の
エリザベス女王杯を1番人気に応えて見事制覇、98、99年の同レースを連覇した
メジロドーベル以来となる史上2頭目の連覇を達成している。今年に入ってからは今ひとつ結果を出せず、3連覇を懸けて臨んだ前走
エリザベス女王杯も3着と惜敗したが、この舞台で女王の意地を見せつけた。このレースで現役を引退し、今後は繁殖入りする予定。通算成績21戦8勝(重賞5勝)。
この勝利で
アドマイヤグルーヴは、獲得賞金額が
シンコウラブリイの5億3787万5400円を抜いて牝馬歴代6位となった(1位は
母エアグルーヴ)。鞍上の
武豊騎手は、
ファインモーションで制した03年以来、通算4勝目。管理する橋田満調教師は初制覇となる。
JRA重賞は
武豊騎手が
カネヒキリで制した
ジャパンCダート(GI)に続く今年23勝目で
JRA年間単独最多重賞勝利の記録を達成。通算では217勝目。橋田満調教師は
スズカマンボで制した5月の
天皇賞・春(GI)以来となる通算38勝目。