25日、中山競馬場で行われた
有馬記念(3歳上、GI・芝2500m)は、
C.ルメール騎手騎乗の4番人気
ハーツクライ(牡4、栗東・橋口弘次郎厩舎)が、道中は内々の5番手を追走し4角で先頭に並びかけると、外をまくって進出してきた圧倒的1番人気(単勝130円)
ディープインパクトを1/2馬身抑え、念願のGI初制覇を飾った。勝ちタイムは2分31秒9(良)。さらに1.1/4馬身差の3着には、中団から脚を伸ばした6番人気
リンカーンが入った。
レースは、古豪
タップダンスシチーが逃げる展開で、2番手以降に終始3馬身のリード。
ディープインパクトは最後方、
ゼンノロブロイ、
デルタブルースは中団の位置からレースを進める。
ハーツクライはこれまでと打って変わって早めの5番手へ。2周目3角過ぎから
ディープインパクトが外を通って徐々にポジションを上げ、各馬もスパート。
コスモバルクが
タップダンスシチーに競りかけ先頭をうかがい、一旦は先頭に立つが、その直後から積極策の
ハーツクライが並び、さらに大外から
ディープインパクトが手応え良く差を詰める。直線半ばで
ハーツクライが完全に抜け出し、
ディープインパクトも追走するがなかなか差は縮まらず、ようやく1/2馬身まで迫ったところで、
ハーツクライが大金星のゴールに飛び込んだ。中団から馬群を割った
リンカーンが3着を確保。
ゼンノロブロイは見せ場なく8着に沈んだ。
勝った
ハーツクライは、
父サンデーサイレンス、母は
新潟大賞典、
新潟記念(共にGIII)など
JRA・9勝を挙げた
アイリッシュダンス(
その父トニービン)という血統。全兄に
JRA現6勝の
アグネスシラヌイ(牡7、栗東・白井寿昭厩舎)がいる。04年1月のデビュー戦(京都・芝2000m)で初勝利。2戦目の
きさらぎ賞(GIII)を3着と好走し、続く
若葉S(OP)で2勝目を挙げる。
皐月賞(GI)は14着と大敗したが、続く
京都新聞杯(GII)で上がり33.4秒の豪脚を繰り出し、重賞初制覇を達成。さらに
日本ダービー(GI)では最後方から追い込み、
キングカメハメハの2着に入った。今年初戦の産経
大阪杯(GII)では2着、続く
天皇賞・春(GI)5着。
宝塚記念(GI)では、直線鋭く追い込み2着に入った。秋は
天皇賞・秋(GI)から始動して6着。前走の
ジャパンCでは、直線猛然と追い込み、勝ち馬
アルカセットとタイム差なしの2分22秒1(日本レコード)で駆けていた。これまでGI・2着が3度あり、今回が悲願のGI初制覇。通算成績は16戦4勝(重賞2勝)。
鞍上の
C.ルメール騎手は
JRA重賞初勝利。これまで、05年
ジャパンC(
ハーツクライ)、05年
マイルCS(
ダイワメジャー)などGIで2着が5度あり、人馬共にGI初制覇となった。これで、
有馬記念は02年O.ペリエ騎手以来、4年連続外国人騎手による優勝となった。管理する橋口弘次郎調教師は同レース初制覇で、
JRA重賞は、
ゴールデンキャストで制した
セントウルS(GIII)に続き今年4勝目、通算では60勝目。GIレースは、
ツルマルボーイで優勝した04年
安田記念以来で、通算5勝目となった。