今週の栗東は26日がかなり気温が上がり、27日が曇り空。27日の午後からは雨が降っているが、27日の追い切りには影響していない。ただ、坂路のウッドチップは重たいようで、時計を要する状態が続いている。とはいっても、基準時計と比較すると、これで基準通りといった感じもするので、今まで速い時計が出すぎていたという印象もある。

　なお、28日は所用で調教取材ができなかったため、内容に関しては27日の追い切りのみを対象としているので、あらかじめご了承いただきたい。

【坂路/4F51.9秒】
　27日。一番時計はセトアロー(栗東・森秀行厩舎)の4F50.0秒。他に50秒台は2頭いるが、いずれも森秀行厩舎。4F51秒台の頭数を見ても、多くもなく少なくもない状態。どうしても時間帯によって、時計が遅くなるところはあるものの、全体的な時計の出方に関してはここ最近と変わっていない。

　決して時計の出やすい馬場状態ではないものの、素晴らしい時計で動いたのは、NHKマイルC(5月8日・東京芝1600m)の1週前追い切りを行ったシュウジ(栗東・須貝尚介厩舎)。同じレースの出走を予定しているイモータルとの併せ馬だったが、それを追走して、大きく先着する内容。時計は4F52.5〜3F37.5〜2F24.1〜1F12.0秒と後半の伸びが申し分ない。

　普段から15-15よりも速い時計を出しているが、後半重点の走りを覚えさせることで、これまで以上に前半に脚をためて走ることができている印象。もちろんレースでは気持ちが入りすぎるなど、脚をためることができる保証はないが、今の調整を見ていると、決してマイルが長いと決めつけたくはない。

　先週の馬場差が「±0.0秒」。本文にも記したように、時間帯による馬場差の見直しは必要ではあるが、全体的に見れば、時計の出方は先週とほぼ同じ。よって、27日の馬場差に関しては『±0.0秒』で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　27日。乗り手からは「先週よりも重たい」という声も聞こえたが、実際に時計をとっていると、そこまで時計を要している印象はない。前半3Fを45秒でまとめておけば、ラスト1Fは12秒を切ることができる馬場。また、前半を飛ばしたとしても後半でバタバタになるケースもほとんどなく、決して走りにくい馬場ではないだろう。

　京都新聞杯(5月7日・京都芝2200m)の出走を予定しているロイカバード(栗東・松永幹夫厩舎)が、レースに向けた1週前追い切りを行っている。ゴッドフロアーとの併せ馬だったが、6F地点で1秒近く追走する形。相手はCWなら栗東で一番走るといってもよいくらいの攻め駆けする馬なので、この時点で前に追いつけるかどうかというところが焦点になった。

　直線に向いて、いい感じで内から並びかけていったが、さすがにそこからは相手の手応えが違っていて、最後は遅れる内容。時計は6F83.0〜5F68.1〜4F53.5〜3F39.1〜1F12.1秒と数字は出ているので、この馬としては全く問題ないだろう。

　先週の馬場差が「-0.3秒」。今週も全体的な時計の出方を見ていると、ほぼ同じような時計の並びなので、27日の馬場差は『-0.2秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　27日の芝馬場は追い切りが確認できなかった。よって馬場差に関しては『±0.0秒』で記録している。

　坂路馬場が時計を要しているという印象を持つ陣営はポリトラック馬場の追い切りに切り替えており、その影響から追い切り頭数は先週よりも増えている。ポリトラックの追い切り大将ドコフクカゼ(栗東・友道康夫厩舎)が一番時計だったが、それに次いだのが、森秀行厩舎の2歳勢。マテラグローバル、リゼグランド、レオンマテラは体重の軽い見習い騎手や地方競馬所属の騎手が跨ったこともあり、5F61秒前後のかなり速い時計をマーク。新馬戦まで時間はあるものの、いよいよその時期が近付いてきたという感じもある。なお、馬場差は27日を『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真：井内利彰)