昨年4月の
福島牝馬Sを
マコトブリジャールで制し、
JRA全10場重賞制覇を成し遂げた鮫島調教師。実はレース前もレース後も、その記録に関して全く認識していなかったという。
「当日は報道陣の人も知らなかったんじゃないかな。だって勝った後に何も聞かれなかったからね。自分もそんなことは全く思ってもいなかった」(鮫島調教師)
そんな平常心が史上5人目となる偉大な記録達成の
アシストになったのかもしれない。
一方、一昨年8月に
小倉サマージャンプを
アップトゥデイトで勝ってリーチをかけて以来、全10場重賞制覇を強烈に意識してきたのが佐々木調教師。昨夏も当コラムで「取れるものなら取ってみたいし、いつでも新潟は狙っている」と、記録コンプ
リートを狙う強い意志を紹介させてもらった(残念ながら昨夏は
新潟ジャンプS=
アップトゥデイト8着、
新潟2歳S=
アンジュシャルマン10着に終わったが…)。
そんな飽くなきチャレンジ精神に満ちた佐々木調教師が、今年も
新潟2歳Sに管理馬
コーディエライトを出走させる。当然、勝負がかりの采配だ。
「仕上がりですか? いいですよ。毛ヅヤ、馬体の張りともに上々です。先生の10場制覇? もちろん、その記録を達成できれば最高です。ちなみに僕自身の初重賞もかかっているんですけどね」と、はにかみながら話すのは担当の高木助手だ。
新馬戦3着敗戦からの未勝利戦1秒差圧勝の変わり身を「距離が延びたのが良かったんでしょう。(初戦の)1200メートルは忙し過ぎました」と説明した後は「これまで
新潟2歳Sを逃げ切った馬はいないみたいですけど、そういうジンクスは破られるためにあるものでしょ。ここも自分のレースをすればいいんじゃないかと思っています」
レース史上(新潟3歳S当時は除く)初の逃げ切り勝ちが決まった時…佐々木調教師の悲願(と高木助手の初重賞V)が達成されることになる。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ