ポルトドートウィユは強行軍でも攻めた。
ラディウス(4歳1600万下)を約3馬身追走。蹴ったウッドチップが高く舞い上がる。後肢のキックが力強い証拠だ。ラスト1Fでかわす。最後は差し返されての併入で4F53秒2-38秒8-12秒8。中2週で3本目の時計だから、こん身の仕上げと言っていい。
手綱を取った
武豊は「ラストをしっかり伸ばすよう頼まれた。相手に差し返された? こっちは自分のペースで行っただけだから。先週は思った以上に良かったが、きょうもいい感じ。満足いく動きだったよ。
きさらぎ賞で初めて乗ったころより、馬がしっかりしてきた」とストレートに感触を使えた。
京都新聞杯では際どい2着争いを鼻差で制して賞金を加算。何とか出走にこぎつけた。
武豊は「ホッとした。ダービーに出るべき血統の馬だから」と振り返る。最悪の場合、ダービーの騎乗馬がいなくなる可能性もあったからだ。
「もっと走る馬だと思うが、素質が追いついていない感じがある。
皐月賞の
ドゥラメンテは強烈。他の馬に迷惑をかけたが、自分も大きなロスがあったわけだから。今までと同じ競馬では勝てない。でも、出るからには狙っていく。5勝じゃ全然足りない。嫌われるぐらい勝ちたい」
日本ダービー通算5勝は断然だ。だが、世界にはもっと上がいた。かの
レスター・ピゴットは英国ダービーを9回制し、不滅の記録と言われる。今、日本競馬の評価は高い。競馬の象徴、ダービー優勝回数を重ねれば、国際的にも名声は揺るぎないものとなる。
武豊は「
キズナはあの乗り方(直線勝負)しかなかったが、この馬はいろいろ考えられる。ノーチャンスとは思っていない。左回りは初めてだが、器用さもあるし、むしろ楽しみ。ぜひ良馬場でやりたい」と言う。高野調教師は「騎手の経験値は心強い」と鞍上に全てを託す。
提供:デイリースポーツ