残念ながら無敗の2冠牝馬誕生とはならなかったが、今春の牝馬クラシック戦線を引っ張り続けたのが
ソダシだったことに異論はあるまい。白毛の美しい馬体と、それに似つかわぬ力強い走りで、競馬界にとどまらず、世間一般の注目をも集めた。先週判明した
札幌記念参戦プランが
ビッグニュースになるのも、まだまだ注目度が高い証し。快進撃が始まった北海道での
リスタートでどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみでならない。
その前にPOGコラムとしては注目せずにはいられないのが、土曜(26日)阪神芝内1400メートルでデビューを迎える
ママコチャ(牝・池江)である。
父クロフネ、
母ブチコと記せば、もうお気づきだろう。
そう、
ソダシの全妹にあたる。残念ながら?純白の毛並みが強いインパクトを与えた姉とは異なり、こちらは鹿毛。しかし、その素質は姉に勝るとも劣らないようで、9日の2週前追い切りでは
宝塚記念出走予定の
シロニイとウッドで併せ馬を敢行し、堂々の追走先着。6ハロン83.0-12.1秒をマークして素質の片鱗を見せつけた。
走る馬に共通する特徴としてよく耳にするのが「オンとオフがハッキリしている」。
ソダシも例外ではなく、調教前はうるささを見せても、調教後はおとなしくなるという。
この
ママコチャもまた、担当する松村厩務員いわく「外に出すと、やけに元気で、すごく走りたがってる感じがする。馬房では、すごくおとなしい馬なんだけどね」。調教パートナーを務める岩崎助手も「とにかく真面目な馬で、調教では自分からグイグイ進んでいきます。
バランス面などでまだまだ改善する部分はありますが、あの前向きさはいいですよね」。
16日の1週前追い切りでは、実戦で騎乗する福永がファーストコンタクト。ウッドで4馬身追走態勢から併入フィニッシュに持ち込み、6ハロン83.5-11.7秒をマークした。福永は「初戦から動ける態勢にありますね」と好感触を伝え、池江調教師も「相手が動いたんで少し見劣りはしたけど、時計は悪くなかったからね」と順調な調整ぶりをうかがわせた。
血統背景から当初はダート路線も検討されていたという
ソダシ。それもあって洋芝の函館でデビューしたわけだが、そこから芝で連勝街道を突っ走ったのはご存じの通り。この
ママコチャもどちらかといえばダート向きとの声もあるようだが、「芝がダメという感じではないので、まずはこの条件で。どこまでやれるか見てみたい」と池江調教師。果たして、姉に続いて牝馬クラシック路線で活躍となるか。まずは
ママコチャの芝の走りに注目してほしい。
(鈴木邦宏)
東京スポーツ