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【野路菊S】横山典と待望の初コンタクト! マテンロウスカイの2走目が楽しみ/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2021年09月23日(木) 18時01分
 ことが思うように運ばないのが新馬戦。何せ全馬が競馬初体験ですから。調教であれほど動けていた子が疲労困憊の体でパドックを歩いていたり、普段はおとなしかったのに競馬場の雰囲気にのまれ大パニックを起こしたりする子もいるわけです。その翌週に期待のコメントを発してくれた陣営のスタッフと顔を合わせるとお互いため息をついて、「一からやり直しですね」なんて話になり、その馬に対するイメージ付けを一新する必要に迫られたりもするものです。

 しかし、逆の意味で裏切られる?ケースもあるわけで、トレセンでみせていた姿からは想像もつかない走りで新馬勝ちを飾る子も。最近でいうと土曜(25日)中京のオープン野路菊Sに出走するマテンロウスカイの新馬戦がそんな感じ。いや、決して本命をつけられない状況ではなかったんですよ。期待のモーリス産駒で栗毛の馬体も目立っていました。坂路で十分乗り込まれた調整過程に、「軽い走りをするので芝の実戦で良さを出せれば」と松永幹調教師からコメントもいただいておりました。

 ただその後に「性格は?気性は素直ですか?」などと聞いてしまったのが良くない。師はう〜んと考えた後、「素直というより、あまり気持ちを表に出さないというか、とにかく楽をしたがるタイプですかね」思いもよらない返答にたじろいでいると、続けて師は、「立っている時は常に“休めの姿勢”を探している感じ。馬房にいる時は壁にモタれかかったりもしているんですよ」

 おいおい“気をつけの姿勢”もできない競走馬って、アスリートとして大丈夫なのかよ〜、などという思いはぐっとのみ込み、取材ノートには“新馬向きではなく、恐らくは使いつつのタイプ”とメモしてしまいました。

 マテンロウスカイが鮮やかに新馬勝ちを飾ったのは周知の通り。しかし小倉でのデビューに至るまでには、もうひとつの波乱も。当週の追い切りを済ませた水曜の時点では、同じ週の新潟外回りマイル戦に横山典騎手でデビューを予定していたはずが、新潟が関東の主場開催ということで馬房が回ってこず、急きょ予定を変更しての出馬投票。小回りで代打のジョッキーで大丈夫かの不安を増幅させてしまったことも、今となっては言い訳でしかありません。

「メンバーや展開などに恵まれたところはあると思いますが、一番の勝因はジョッキーがうまく乗ってくれたことに尽きると思います。出たなりのポジションで慌てなかったことで勝負どころで馬にもスイッチが入り、ロスのないさばきで瞬発力の良さを引き出してくれました。同じような競馬ができれば、広いコースに替わっても楽しみですよね」と松永幹師。馬の性格に合わせた秋山真騎手の落ち着いた騎乗に賛辞を贈るとともに、新馬戦で明らかになった長所に手応えをつかんだ様子。しかし新馬戦で信用しきれなかった分、もうひとつ景気のいい言葉を欲しがってしまうのも新聞屋の性でしょうか。

「一度使ってピリッとしてきましたか?」との問いに、「それがのんびりした性格はあまり変わらないんですよねえ。食べ物を手に持って馬房に近づくと普通の馬なら寄ってくるものなんですが、この馬の場合はアゴを突き出すだけ。“ほら、こっちまでもってこんかい!”って感じですからねえ」(松永幹師)

 その笑顔は競馬へ向かううえで不安がないことの証明。これが新馬戦と大きく違う点です。いかにも手の合いそうな横山典騎手が待望の初コンタクトで、馬のやる気スイッチをどう引き出すのか。新馬戦で評価を誤ったことで、そのキャラをしっかりとイメージできることとなったマテンロウスカイの2走目が楽しみでなりません。

(石川吉行)

東京スポーツ

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