名だたる競走馬たちを間近で見ることができる栗東トレセン。そんな場所に毎週出入りして、関係者の皆さまに取材ができるなんて…。“特別”なことなのだと、いつもしみじみ感じています。そのありがたみが分かっただけでも、3年間やってきて、競馬記者として少し余裕ができたのかな。せっかく与えられた“特権”ですから、競馬ファンの皆さんにどうやったら還元できるのかを考える日々でもあります。
先日、「東スポ競馬Twitter」で紹介してほしくて、ある馬の写真を撮ってきました。私がTwitter用に撮ってくる馬は、割と独断と偏見というか、「かわいい」と思った子をランダムに撮影する感じなんですけど、その時も同じでした。担当する藤沢則厩舎に想定を確認しに行った際、たまたま目が合った女の子。ものすごくかわいくて、まだおぼこい表情をしていて…。「2歳ですか?」ってすぐにお聞きしたんです。
「入厩ホヤホヤですよ。
スズカサンサン(父
ドゥラメンテ)って言います」とは担当の北垣助手。その
スズカサンサンの写真をTwitterに上げてもらったところ、デビュー前の2歳馬とは思えないくらい、いい反応をいただいたようで…。「だってめちゃくちゃかわいいもんな」と勝手に納得していたのですが、どうも
スズカサンサンのことを知っている方がチラホラいたみたいなんですよね。しかも「すしこ」っていうあだ名までついている。
いろいろ調べてみたところ、
スズカサンサンの生産牧場の方が当歳のころから紹介されていたんですね。そのあまりの愛くるしさに、トレセン入厩前からすでにファンがいたなんて…。すしこちゃん、恐ろしい子!しかも生産の「藤沢牧場」は藤沢則調教師の遠縁にあたるんですって。
スズカサンサンのお母さんは
スズカシャーマン。降級制度があった当時、中央で4勝を挙げました。担当は
サンサンと同じく北垣助手。ゲートに課題があった一方で、強烈な末脚が武器だったそうです。
「
サンサンは本当に
シャーマンそっくり。ちょっとおてんばな性格もそうだし、乗り味も似てる。馬房の中でしか粗相をしないところも同じですね。
ニンジンをねだるときに首をかしげる“おねだりポーズ”はきっとお母さん直伝でしょう」
シャーマンにあまりにそっくりだからか、彼女とともに未勝利と1000万下(2勝クラス)を勝った秋山真騎手が「ぜひ乗せてほしい」と言ってきているんだとか。ゲートで少し難しさを見せるところもお母さんに似てしまっているのはご愛敬ですが、芝でもダートでも走れる、いいところも受け継いで、きっと当歳からのすしこちゃんファンを沸かせてくれることでしょう!
(赤城真理子)
東京スポーツ