GIII
サウジアラビアRC(8日=東京芝1600メートル)の歴代勝ち馬を振り返ってみると、特に強烈なのは2017年からの3年間。
ダノンプレミアム→
グランアレグリア→
サリオスと後のGI馬がズラリと並んだことで「出世レース」のイメージを決定づけた。
実はこの3頭には共通点がある。いずれも「世代最初の中央場所の新馬開催」でデビュー勝ちを決めているのだ。そうなると今年は
ノッキングポイントが要チェックな存在となろうか。
“
セオリー通り”に快勝した6月東京の新馬戦(芝1600メートル)は2着に3馬身差をつける文句なしの内容。レース後に鞍上のルメールが「いい勉強ができた」と口にしたくらいで、それが“単なる通過点”であったことは容易に察しがつく。
一方、管理する木村調教師は「デビュー戦は勝ちにいくような仕上げで臨みました。
モーリスの子なので気持ちのコントロールで手探りの部分もあったけど、競馬ではテン良し、中良し、しまい良しの内容。思っていた以上に上手な走りをしてくれました」と振り返っていたが、さて、ひと夏を越した成長はいかなるものか?
ひと目でたくましさが増したと分かる馬体もさることながら、1週前追い切りでは南ウッドで9ハロンからハロン16秒台に突入する意欲的かつ上質な併せ馬を消化。やはりただ者ではないとみて間違いあるまい。
「夏場は(ノーザンファーム)天栄で調整していただき、9月9日に帰厩しました。しっかりと時間をもらった分、ひと回り大きくなり、数字も10キロほど増えたかな。1週前追いは2番乗りの時間帯。馬場コンディション的に走りにくかった分、きれいなフォームでは走れていなかったけどね。それでも動かしにいったのは予定通りで、いい負荷がかけられました。体の成長と気持ちの部分も含め(レースまで)あと1週で全体的な
バランスを整えていきたい。とにかく元気がいいのが何よりです」(木村調教師)
来春へと続くGI戦線への始動となる重要な一戦で、
ノッキングポイントは“スター候補”にふさわしい走りを見せられるのか、大いに注目してほしい。
(立川敬太)
東京スポーツ