●アリーガル(牡 栗東・池江泰寿 父エピファネイア、母マトゥラー)
母マトゥラーは現役時代2戦未勝利ながら、ドリームジャーニー(09年有馬記念-GI、09年宝塚記念-GI、06年朝日杯FS-GI)、オルフェーヴル(三冠、11、13年有馬記念-GI、12年宝塚記念-GI)の4分の3妹にあたる良血。
これまでデビューした4頭の産駒のうち勝ち上がっているのはマハヴィル(現2勝クラス)だけだが、オルフェーヴルやドリームジャーニーと同牝系ということで、一発大物を出せるのでないかという魅力はある。
本馬は「エピファネイア×ディープインパクト」という組み合わせ。この配合は現時点で13頭中4頭が勝ち上がり、若駒S(L)2着のアリストテレスが出ている。上々の成績だ。芝向きの中長距離タイプ。
●サステナブル(牡 栗東・長谷川浩大 父キズナ、母ベネラ)
昨年のセプテンバーセールで最高価格となる1910万円(税抜)で落札された。母ベネラはJRAで27戦し、ダ1000〜1200mで3勝を挙げた。
2015年から5年連続で地方競馬のリーディングサイアーの座にあるサウスヴィグラスの4分の3妹にあたる良血で、これまでに競走年齢に達したグッドヒューマー(3勝/父ローエングリン)、トモノコテツ(2勝/父ブラックタイド)、ボンボンショコラ(1勝/父ノーザンリバー)はすべて勝ち上がっているので繁殖牝馬としても優秀だ。
これらの勝ち星はすべてダートでのものなので、本馬もダート向きに出る可能性が高い。キズナはディープインパクト産駒だが、産駒成績を見るとダートもこなしており、すでに北海道2歳優駿(Jpn3)を勝ったキメラヴェリテという重賞勝ち馬まで出している。ダート向きのマイラー。
●バニシングポイント(牡 美浦・藤沢和雄 父Tapit、母Unrivaled Belle)
母Unrivaled Belleは現役時代にブリーダーズCレディーズクラシック(米G1・ダ9f)など3つの重賞を制した名牝。産駒成績も優秀で、クレメントLハーシュS(米G1・ダ8.5f)など3つのG1を含めて重賞を8勝したUnique Bella(父Tapit)を産んだ。
同馬は3歳時に米チャンピオンスプリンター牝馬、4歳時に米古牝馬チャンピオンに選出されている。本馬はその全弟。
父Tapitは3年連続米首位種牡馬となった名種牡馬で、本馬はUnbridled 3×3というインブリードを持っている。馬体や気性に問題がなければ大物だろう。
●マイネルクハージュ(牡 栗東・五十嵐忠男 父カレンブラックヒル、母タイセイボニータ)
母タイセイボニータはJRAで9戦1勝。3勝クラスまで出世したアマノレインジャーの全妹で、中京競馬場の2歳未勝利戦(芝1200m)でレコード勝ちしている(1分09秒6)。その父タイキシャトルの成功パターンであるNijinskyのクロスを持っているので繁殖牝馬として期待が掛けられる。
本馬の父はカレンブラックヒル。初年度産駒の現3歳世代は8勝を挙げており、内訳は芝2勝、ダート6勝で、連対率も芝8.8%、ダート18.4%と、ダートが芝を上回っている。
その父ダイワメジャーはDevil's Bagやその全きょうだいとニックスの関係にあるが、カレンブラックヒルもこのパターンの配合は悪くなく、連対率26.3%と父の平均の2倍以上の好成績を挙げている。芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラー。
●モズマンジロウ(牡 栗東・小崎憲 父モーリス、母アンシェルブルー)
父モーリスは現役時代に安田記念(GI)、マイルCS(GI)、天皇賞・秋(GI)を勝ったほか、香港でも香港マイル(G1)、チャンピオンズマイル(G1)を制した近年最高のマイラー。競走生活の晩年は2000mも問題なくこなした。
父系はスクリーンヒーロー→グラスワンダー→Silver Hawk→Robertoとさかのぼり、2代母は重賞を4勝した名牝メジロモントレー。重厚さとスピードを併せ持つ血統は野性味にあふれている。初年度産駒の現2歳世代は血統登録頭数が176頭。仕上がりは早く、2歳戦が開幕すれば順調に勝ち上がっていくはずだ。
母アンシェルブルーは阪神牝馬S(GII)2着、セントウルS(GII)3着などの成績を持つスピードタイプ。現3歳の息子シゲルチキュウ(父キングカメハメハ)は昨年10月の東京新馬戦(芝1400m)を勝ち上がった。本馬はサンデーサイレンス4×3のインブリードを持っているが、初年度のモーリス産駒のほぼ4頭に3頭がこのクロスを持っているので問題ない。芝向きのマイラー。