ジャパンダートダービー(7月9日 大井 サラ3歳 定量 JpnI 2000m不良)
◎(1)サクセスブロッケン 2分04秒5
(2)スマートファルコン 3.1/2
△(3)コラボスフィーダ 8
▲(4)ドリームスカイ 1/2
△(5)ナンヨーリバー 3
……………………………
△(6)モエレラッキー
△(15)イイデケンシン
○ユキチャン 競走除外
単120円
馬複640円
馬単710円
3連複4000円
3連単6880円
サクセスブロッケンが別次元の強さをみせた。イメージは先行型ぞろい。しかし実際ハナにこだわったのはナンヨーリバー1頭で、好発ブロッケンはその2番手でスムーズに折り合った。以下、スマートファルコン、モエレラッキー。1000m通過62.2秒だからかなりのスロー。さてどこでどう動くか。鞍上は舌なめずりする気分だったと想像する。結局絶対的な能力が一枚も二枚も違う。直線入口、並ぶところなく前を捕え、流れるようなフォームで独走した。「思った以上にデキがよかった。引っ張られるくらいの気合で、僕はそれをコントロールするだけ。強い馬ですよ。きれいに勝てて本当に嬉しい」(横山典騎手)。2分04秒5は、歴代ゴールドアリュール(2分04秒1)、カネヒキリ(2分04秒9)と同レベル。道中の流れ、余裕の脚いろを考えれば互角以上といってもいい。上がり36.6秒、最後までステッキは入らなかった。
パドックのブロッケンは、テレビ観戦した日本ダービー同様に細身でシャープ、いわく芝向きの体型とみえた。ダート王者と呼ぶにはむしろ華奢。それでも数字は12kg増だから、立て直し成功ということだろう。「(日本)ダービーの後、体が減るようなら回避も考えた。しかし意外なほど回復が早く、いい感じで臨めました。体質はもちろん、精神面がしっかりしている。それも“実力”のうちでしょう」(藤原英昭調教師)。簡単そうで簡単でないリカバリー。馬の力+陣営の技術と情熱。同時に、今後はしばらくダート路線集中と明言された。最終目標を「ジャパンCダート」に置き、そこから逆算した1〜2戦。同レースは今年阪神1800mに変更、あるいは園田「JBCクラシック」も視界に入るか。芝再挑戦は一つ頂点を極めてから。今思えば日本ダービーは、馬自身ややリキんだ感じの走りだった。
スマートファルコンが、道中3番手のインをきっちり確保、直線ブロッケンを追って鋭く伸びた。芝路線から急きょ変更、補欠出走(アポロドルチェ回避)の経緯もあって評価を下げたが、終わってみれば、父ゴールドアリュール、兄ワールドクリークの血筋は確か。レース前のイレ込み、折り合いの難しさが解消すれば、今後GI路線にも定着できる。南関東コラボスフィーダ、ドリームスカイは、東京ダービーとほぼ同じ時計で走り、3、4着という結果だった。スマートファルコンから8馬身差。確かに能力差を感じるが、安定度を増し、自ら好走パターンが確立したことは評価できる。モエレラッキーは本質的に距離2000mがやはり長い。思い切りのいい競馬ができず終わった。
ユキチャンの競走除外は残念だった。古い言葉ながら才色兼備。ファン動員力は理屈抜きといっていい。記者自身、予想、馬券はさておき、彼女の作る(参加する)ドラマに大きな夢を描いていた。その朝突然「蕁麻疹」は、どうにも不運なめぐり合わせ。「白馬ってさ、やっぱり皮膚が弱いのかな…」。パドックで若いファンの会話を聞いたが、さてどうなのだろう。直前キャンセルながら、前年比155.7%という入場者。幸い軽症、すぐにも戦列復帰可能というから、できればトゥィンクルのうちに再登場を期待したい。
※重賞の格付けは、新表記を使用しております。