平和賞(10月22日 船橋 サラ2歳 定量 SIII 1600m)
10月1日川崎「鎌倉記念」に続く2歳重賞第2弾。「平和賞」好走馬は近年クラシック直結、翌春大仕事をする傾向があり、必見、貴重なレースとなった。例えば、04年優勝シーチャリオットは羽田盃→東京ダービー連破、06年2着フリオーソはGIジャパンダートダービーを勝っている。昨年も2着馬ドリームスカイが東京ダービー優勝。少し遡ると、01年1着ヒミツヘイキが、JRA「ユニコーンS」圧勝という快挙もあった。
過去10年のデータ。1番人気[5-1-2-2]、2番人気[0-2-2-6]、3番人気[3-2-0-5]。総体的に堅めに流れ、1番人気が掲示板を外したのは、昨年モエレジンダイコ(道営)=10着という一例しかない。結局推理のポイントは、その他地区馬をどう評価するかだろう。03年から地方交流へ条件変更、いきなり道営ランノホシが勝ったものの、以後トータル[1-1-3-14]。実質チャンピオン級が出走しないところに微妙さがある。勝ち馬の平均キャリア=3.9戦、同2着馬=5.8戦。牝馬は[0-0-1-20]で、数字上は極端に分が悪い。逃げた馬=3、7、6、1、14、14、3、1、1、1着。先行有利は当然ながら、04年シーチャリオットは新馬勝ちだけのキャリアで挑み、中団から一気に伸びて完勝した。基本的に完成度、展開より、素質重視をセオリーと考えたい。
◎エロージュ
(53・戸崎)
○シュバレスク
(54・張田)
▲サプライズゲスト
(54・坂井)
△マルハチゲティ
(54・本多)
△メジャーサイレンス
(53・山田信)
△アンビシャスガイ
(54・水野)
△ブルーサンオー
(54・真島)
テイケイドラゴン
(54・左海)
イケノナイン
(53・御神本)
チョットゴメンナ
(54・宮崎光)
結局、データには逆らった。牝馬エロージュ本命。同馬はデビュー2連勝、新馬戦でノーステイオーに3馬身差をつけ、続く大井特別戦も持ったままの楽勝だった。前走「ゴールドジュニアー」、確かに8着は負けすぎだが、当時極端な道悪で道中かなりもまれる展開。ひとまずキャリア負け、成長過程と判断したい。同川島正行厩舎、オープンで活躍したステルステクニックの全妹。馬体、走法など、柔軟かつ力強く、一枚上のスケールを感じさせる。地元良馬場で仕切り直し。父フサイチコンコルドで、距離1600m自体は何ら減点も浮かんでこない。
シュバレスク、マルハチゲティは、トライアル「ナドアルシバ競馬場C」1、2着馬。結果、先行マルハチゲティをシュバレスクが捕え切れなかったが(アタマ差)、当時シュバレスクは1000m→1600mの延長で厳しいパターン。新馬59秒6圧勝、父ゴールドアリュールの背景からも、素質、上昇度で逆転できる。道営馬では、[3-3-0-0]メジャーサイレンスより、前々走1500m2着サプライズゲストを上位にとった。父サウスヴィグラスながら、気性面で渋いイメージ。前走JRA経験も収穫が大きいだろう。ノーステイオーにちぎられた「鎌倉記念」組は上積みがほしい。アンビシャスガイ、ブルーサンオー、ともにレース上手でしぶといが、突き抜ける鋭さ、パンチ力に課題がある。