ケイズパステル(牝 美浦・菊川正達 父ネオユニヴァース、母シマノキララ)
父ネオユニヴァースは今年の新種牡馬。シーズン開始当初は不振が続き、失敗種牡馬の烙印を押されかけたが、9月の中央場所が始まるころからエンジンが掛かり始め、先週終了時点で11勝と、新種牡馬の勝利数ランキングで首位キングカメハメハにあと1勝と迫っている。やや鈍重なところが見られるので、基本的に母系にはスピード血脈を入れたいところ。本馬は母の父がMr.Prospector系のアフリートなので問題ない。Kris=Diesis 3×3の同血クロスは大胆。ダートで本領を発揮する可能性もある。
コスモスプリッツァ(牝 美浦・田中清隆 父アグネスデジタル、母ホクトスプライト)
2代母ホクトビーナスはホクトヘリオス(重賞5勝)の半妹で、桜花賞(GI)2着という成績がある。母ホクトスプライトは現役時代に3勝。繁殖牝馬として大きな期待がかかる。ホクトスプライトの半姉ホクトペンダントがビーナスライン(06年函館スプリントS-GIII)を出しているように、この牝系は活力にあふれており、今後さらに発展する可能性を秘めている。父アグネスデジタルの代表産駒の1頭エイムアットビップは、母が「トニービン×Nijinsky系」だった。本馬はこれと同じ構造。芝向きのマイラーだろう。
サクラレーヌ(牝 栗東・岡田稲男 父シンボリクリスエス、母セダンフォーエバー)
中山記念(GII)をレコード勝ちするなど重賞を3勝したサクラプレジデント(父サンデーサイレンス)の半妹にあたる。母セダンフォーエバーはサクラチヨノオー(88年日本ダービー-GI、87年朝日杯3歳S-GI)、サクラトウコウ(86年七夕賞-GIII)の全妹でもあり、血統的なポテンシャルはきわめて高い。芝向きの本格的なクラシック配合で、桜花賞よりもオークス向き。
メジャーステージ(牡 栗東・崎山博樹 父ダンスインザダーク、母リンデンリリー)
母リンデンリリーはエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬で、半姉ヤマカツリリー(父ティンバーカントリー)はフィリーズレビュー(GII)を勝ち、阪神JF(GI)2着、秋華賞(GI)3着など優秀な成績を残した。もう1頭の半姉ハナイチリン(父ボストンハーバー)は準OPで頑張るスプリンター。本馬の父はダンスインザダーク。姉とは違って芝の中長距離がメインフィールドとなりそうだ。
ヤマニンベルファム(牝 美浦・栗田博憲 父フサイチコンコルド、母ヤマニンアリーナ)
母ヤマニンアリーナは繁殖牝馬として素晴らしい実績を挙げている。本馬の半姉ヤマニンメルベイユ(父メジロマックイーン)は中山牝馬S(GIII)とクイーンS(GIII)の勝ち馬。半兄ヤマニンキングリー(父アグネスデジタル)はきさらぎ賞(GIII)3着馬。その母ティファニーラスはケンタッキーオークス(米G1)を勝って米3歳牝馬チャンピオンに選出された名牝で、その良血の威力をしっかり伝えている。本馬の父はフサイチコンコルド。芝・ダート兼用の中距離馬だろう。