アドニスラモーサ(牝 栗東・平田修 父アグネスタキオン、母ジェミーブロッサム)
母系にRibot系を持つアグネスタキオン産駒は、今年だけでもディープスカイ、ダイワワイルドボア、レインボーペガサスと3頭が重賞勝ちを果たしている。本馬はこのパターン。母が「Wild Again×Kingmambo」なので、芝向きのスピードや切れ味には欠けるかもしれないが、時計のかかる芝やダートでは強そう。距離は万能だろう。
インフィニットエア(牡 美浦・萩原清 父シンボリクリスエス、母ビーサイレント)
母ビーサイレントは競走成績こそ貧弱だったが、父サンデーサイレンス、母グローバルダイナ(阪神牝馬特別など重賞3勝)という良血。これがモノをいい、繁殖牝馬として成功した。これまでにプリサイスマシーン(父マヤノトップガン、重賞4勝)、キープクワイエット(父エアジハード、5勝)、ジェイケイテイオー(父トウカイテイオー、5勝)といった産駒を出している。本馬の父はシンボリクリスエス。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
オリオンザクエスト(牡 栗東・加藤敬二 父コロナドズクエスト、母アフターディナー)
半兄ディーエスサンダー(父タヤスツヨシ)は、盛岡に遠征してマーキュリーC(交流GIII)を勝ったほか、東海S(GII)では1位入線も3着降着、ブリーダーズGC(交流GII)2着、アンタレスS(GIII)3着など、ダート中距離戦線で活躍した。父コロナドズクエストはフォーティナイナー→Mr.Prospectorと遡るラインで、芝をこなせないことはないが、ダートのほうがはるかに優秀。本馬もダート向きだろう。半兄ディーエスサンダーとは配合構造がまったく異なるものの、Tom Rolfe≒ラディガ4×3など仕掛けどころの多い配合で期待できる。
サダムダンディ(牡 栗東・西園正都 父タイキシャトル、母リボンストライプ)
母リボンストライプはウイニングチケット(93年日本ダービー-GI)の全妹、ロイヤルタッチ(95年ラジオたんぱ杯3歳S-GIIIなど)の半姉にあたる良血。すでに新潟大賞典(GIII)を勝ったエアセレソン(父チーフベアハート)を産んでいる。本馬はその半弟。Nijinskyのクロスを持つタイキシャトル産駒は成功しており、ゴールデンキャスト、サトノプログレス、ウイングレット、ディアチャンスとコンスタントに重賞勝ち馬が出ている。平坦コースで特に強そう。
ジャグラーキング(牡 栗東・矢作芳人 父キングカメハメハ、母サマニベッピン)
母サマニベッピンは阪神牝馬特別(GII)、金鯱賞(GIII)、府中牝馬S(GIII)と3つの重賞を制した名牝。しかし、繁殖牝馬として成功しているとは言い難く、これまでに中央で走った7頭の産駒のなかで、2勝馬レディインブラック(父サンデーサイレンス)が最高の成績。過去、サマニベッピンに交配した種牡馬はサンデーサイレンスとブライアンスタイムの2頭だけで、いずれも配合的に合っているとはいえなかった。父キングカメハメハはこの2頭よりも種牡馬の格としては下ながら、サマニベッピンとの配合的和合性という点では上なので期待できる。母系に入るパーソロンはキングカメハメハと相性がいいだろう。マイル〜中距離向きの芝馬。
ファミッリア(牝 栗東・池江泰寿 父Holy Bull、母Knight Prospector)
母Knight Prospectorはアメリカでダ6.5fのG3を勝った。繁殖牝馬としても優秀で、本馬の全兄エストレーノは新馬−ヒヤシンスS(OP)を圧倒的な強さで連勝し、兵庫チャンピオンシップ(交流GIII)では2着となった。もう1頭の全兄インオラリオは新馬戦2着のあと、未勝利−500万を連勝して現在休養中。半兄コンプレッソ(父Golden Missile)は準OP馬。確実に走る血統なので期待は大きい。ダート向きのマイラー。
フレンチドール(牝 美浦・久保田貴士 父フレンチデピュティ、母ワルツダンサー)
母ワルツダンサーは現役時代、マイル以下の芝を得意とし、OPクラスまで出世した。繁殖牝馬としてもきわめて優秀。産駒のワイルドワンダー(父ブライアンズタイム)は強力な差し脚を武器にアンタレスS(GIII)、プロキオンS(GIII)、根岸S(GIII)とダート重賞3勝。その弟のラインドライブ(父グラスワンダー)とオペラブラーボ(父オペラハウス)もOP入りを果たしている。特に後者は現在3連勝で、次走の中日新聞杯(GIII)で重賞初制覇の期待がかかる。本馬はこれらの半妹。「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス×Mr.Prospector」という配合構成はライラプス(05年クイーンC-GIII)と同じ。芝・ダート兼用のマイラー。