1人当たり1万2千円、と言えば、何のことかもうお分かりですね。そう、定額給付金の話です。政府が掲げた景気浮揚策の目玉。でも、どうやって支給するのか、所得制限を設けるべきかどうか、などなど、クリアにしなければならない問題が山積で、支給までにはまだまだ紆余曲折がありそうです。
そもそも景気浮揚策だとすれば、支給された人みんなに、遅くとも数か月以内に使い切ってもらわないと消費拡大にはつながりません。今回は、以前の地域振興券のような金券支給ではなく口座振り込みになると言われていますが、そうなると、それをいつ引き出して使うかは支給された人の自由。すぐには使わない、という人は大勢いるでしょう。すぐに使う人でも、ふだん買っているものを定額給付金で買って、浮いた分を預貯金として残しておけば、その人の消費額はプラスマイナスゼロ。ローンや税金の支払いに充てて、新たに何かを買うつもりはない、という人もいるかもしれません。2兆円を投入しても、即座にその分の消費拡大につながるかどうかは大いに疑問です。期間限定で使える金券にしたほうが、口座振り込みよりはいくらか景気浮揚への効果が見込めると思うのですが(それでも、金券を金券ショップで現金に換えて、消費以外に回す人が出てくるはずです)。
ところが、金券を支給するにしても、いろいろ問題があります。まず、支給する側の手間が大変。偽造されないような金券も印刷しなければなりません。
さらに問題となるのが、その使い道。以前に支給された地域振興券の場合は、「若い親の層の子育てを支援し、あるいは老齢福祉年金等の受給者や所得の低い高齢者層の経済的負担を軽減することにより、個人消費の喚起と地域経済の活性化を図り、地域の振興に資する」という大義名分があったため、支給対象者は限られ、商品券やプリペイドカードなどは買えず、馬券や車券、パチンコなどに使うこともできませんでした。
でも今回は、すべての国民を対象に支給するというのが原則(所得制限が設けられるかどうかは別として)。子育て支援や高齢者、低所得者の経済的負担の軽減ではなく、ストレートに消費拡大、景気浮揚が目的とされています。だとすると、馬券購入に使ってもいいんじゃないでしょうか?
競馬ファンが馬券を買うのも、れっきとした消費行動です。競馬の主催者は馬券を売って収入を得て、経営を成り立たせているわけですから。その売り上げが低迷している、というのは周知の事実。いかに売り上げを確保し、アップさせるかは喫緊の課題です。競馬ファンの方々が定額給付金を元手にふだんよりいくらか余計に馬券を買ってくれたら、主催者にとっては大変ありがたいこと。金券で直接馬券が買えるかどうかは、けっこう重要な問題だと思います。
この点で言うと、定額給付金は口座振り込みのほうがよさそうですね。いつ使うかは別として、何に使ってもいいわけで、大手を振って馬券も買えます。いっそのこと、電話・パソコン投票の口座を持っている人が、その口座への振り込みも指定できるようにすれば、もっといいでしょう。「すぐになくなっちゃうから、そんなことするな」ですって? いやいや、定額給付金は使ってもらうのが一番なんですから、むしろそのほうがいいんですよ!
馬券だけじゃありません。口座振り込みにすれば、馬主サンが馬代金や預託料の一部に充てることも可能。何千万、何億といった馬の代金と考えたら微々たるものですが、一口馬主のみなさんにとっては、けっこうな額になるはずです。出走手当の減額で影響を受けている地方競馬の馬主サンにとっても、わずかではありますがお役に立てていただけると思います。
いずれにしても、定額給付金は、競馬産業の景気浮揚には効果がありそうです。競馬ファンのみなさん、もし給付金が支給されたら、全額とはいかないまでも、そのうちのいくらかを競馬で使いましょう! できれば、存続の危機に瀕している地方競馬で使っていただけたらありがたいですね(JRAのみなさん、ゴメンナサイ!)。アレッ、主催者でもないのに、いつどうやって支給されるかも決まっていないお金をアテにしてそんなことを考えている私って、ヘンですか?
さて、エリザベス女王杯は、素直にカワカミプリンセスを頭にした3連単を買います。2着にはベッラレイア、ポルトフィーノ、ムードインディゴ、レインダンス、3着にはこの4頭にエフティマイア、レジネッタと、雨で馬場が渋ったときに外国馬2頭を加えます。詳しくは
こちらをご覧下さい。では、また来週。
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