グレイシャスドータ(牝 美浦・小西一男 父ゴールドアリュール、母グロリアスドータ)
母グロリアスドータは準OPを勝ち、重賞にも何度か出走した活躍馬だった。本馬の父ゴールドアリュールとの組み合わせでは、Nureyev≒Sadler's Wells 3×3という4分の3同血クロスが生じる。Nureyevの牝系は世界に冠たるSpecial系で、父ゴールドアリュールはこの部分をクロスさせる配合が成功を収めている。スペルバインド、オーロマイスター、オオトリオウジャなどはこのパターンから誕生している。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
ザバイオ(牡 栗東・藤原英昭 父アグネスタキオン、母クレアコート)
今年の神戸新聞杯(GII)に出走したエイシンブイダンス(父ダンスインザダーク)を半兄に持つ。父アグネスタキオンは、今年に入って母系にRibot系を持つ産駒が3頭重賞勝ちを果たしている(ディープスカイ、ダイワワイルドボア、レインボーペガサス)。母クレアコートはRibot 4×4なのでこのパターンに当てはまる。母系は全体的に重厚で底力を感じさせるので、やや線の細さが垣間見える父との相性はいいはず。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
ホウショウアビル(牝 栗東・安田伊佐夫 父Tale of the Cat、母Gaily Funky)
母Gaily Funkyは99年に新潟3歳S(GIII)を制し、阪神3歳牝馬S(GI)でも2着と健闘したゲイリーファンキーのこと。現役引退後、生まれ故郷のアメリカに戻って繁殖生活を送っているため、産駒は外国産馬扱いとなる。すでにホウショウループ(3勝、父Mr.Greeley)を送り出しており繁殖成績もまずまず。本馬の父Tale of the CatはStorm Cat系の馬力型スピード血統で、新馬戦で連対率50%以上をマークしているように仕上がりが抜群に早い(ダートに限れば70%!)。本馬もこうしたタイプだろう。
マイネプリンセス(牝 美浦・畠山吉宏 父アグネスデジタル、母マイネカトリーヌ)
半兄マイネルデュプレ(父ペンタイア)は共同通信杯(GIII)の勝ち馬。「アグネスデジタル×トニービン+Nijinsky系」という構造はエイムアットビップ(07年ファンタジーS-GIII・2着)と同じ。本馬の2代父Crafty Prospectorと母の父トニービンは相性がよく、この組み合わせからは他にカンパニー、レニングラード、バトルバニヤンといった活躍馬が出ている。芝向きのマイラー。
マイネルビバーチェ(牡 栗東・中村均 父フジキセキ、母ユウキビバーチェ)
母ユウキビバーチェはチューリップ賞(GIII)の勝ち馬で、オークス(GI)でもダンスパートナーの2着と健闘した。繁殖牝馬としてはすでにユウキアヴァンセ(4勝、父フォーティナイナー)を産んでいる。本馬の父はフジキセキ。「フジキセキ×トニービン」という組み合わせはドリームパスポート(06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)、ユメノシルシ(07年新潟記念-GIII)と同じで、フジキセキ産駒の成功するパターンのひとつ。芝向きの中距離タイプ。