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一発ホームランを狙えるウェイビングパース

  • 2008年12月01日(月) 23時00分
ウェイビングパース(牡 美浦・宗像義忠 父ゴールドアリュール、母サンセットウェーブ)
 母サンセットウェーブは未勝利馬だが、ショウナンワンダー(準OP)とプロミストスパーク(準OP)の半妹にあたり、Fairy King≒Number 2×3という近似血脈のクロスを持つ。さらに父ゴールドアリュールには、これらの近似血脈であるNureyevが入るので、Nureyev≒Fairy King≒Number 3×3・4という、エルコンドルパサーばりの強烈な凝縮がある。母の父がエリシオで、父にNureyevが含まれる(つまりNureyev≒Fairy Kingのクロスが生じる)という配合はデイリー杯2歳S(GII)を勝ったシェーンヴァルトと同じ。一発ホームランを狙える配合だ。

エアイグアス(牡 美浦・伊藤正徳 父Giant's Causeway、母Macarena Macarena)
 全兄のエアマックールは準OPに在籍している。父Giant's Causewayは現役時代、わずか2か月半の間にG1を5連勝して「鉄の馬」の異名を取った。種牡馬としては初年度からShamardal(仏ダービーなどG1を4勝)、Footstepsinthesand(英2000ギニー)などを送り出したものの、活躍馬が1、2年目の産駒に集中し、その後パッタリと名前を聞かなくなった。5年目の産駒であるIntense Focusが今年、デューハーストS(英G1)を勝って久々のG1タイトルをものにした。本馬はGlorious Song=Angelic Song 4×2という大胆な同血クロスを持つ。馬のデキがよければ兄を超える可能性も十分。

ディーエスバリュー(牡 美浦・藤原辰雄 父タヤスツヨシ、母スノーフレーク)
 母スノーフレークはマイヨジョンヌ(重賞3勝)の半妹。母系にマルゼンスキーを持つタヤスツヨシ産駒には、ディーエスサンダー(03年マーキュリーC-GIII)、ビービートルネード(南関東公営で東京ダービー、戸塚記念、報知オールスターCを制覇)、マルタカハーモニー(準OP)などがいて成功している。この配合はアメリカ血統が強調されるためダート中距離馬が出やすいが、本馬はさらに母系の奥にパワー型のチャイナロックが入るのでその傾向が強まりそう。

テキサスコマンド(牡 栗東・吉田直弘 父Smarty Jones、母ストレイトフロムテキサス)
 父Smarty Jonesはデビュー以来8連勝でケンタッキーダービー(G1)とプリークネスS(G1)の米二冠を制し、三冠確実と言われながら、ベルモントS(G1)で2着に敗れた。初年度産駒がデビューした今年、すでにアメリカではBe SmartがG1で2着となっている。日本では、デビューした4頭のうちケイアイガーベラとコスモパイレットが勝ち上がった。後者は芝でのものなので、エンドスウィープのように芝・ダートを問わないタイプなのかもしれない。母ストレイトフロムテキサスはカナダでナッソーS(G2・芝8.5f)を制覇したほか、重賞で入着を繰り返した。本馬は仕上がり早のスピードタイプで芝・ダート兼用。Hero's Honor=Wild Applause 4×4、Sir Ivor≒Drone 5×4は好感が持てる。

レッドブリッツァー(牡 栗東・石坂正 父シンボリクリスエス、母ビューティフルゴールド)
 母ビューティフルゴールドはMr.Prospector≒Raise a Cup 2×1という強度のクロスを持つ。この異様な配合が遺伝的インパクトを生み出しているのか、繁殖牝馬としてはビッグゴールド(02年中山金杯-GIII)、ビッグタイガー(準OP)、ビッグサイレンス(準OP)などコンスタントに活躍馬を送り出している。本馬の父はシンボリクリスエス。重厚さが前面に出ている血統なので、スピード値の高いMr.Prospectorとはうまくフィットしている傾向が見られる。芝・ダート兼用のマイラー〜中距離馬。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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