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帽色とその順番って?

  • 2008年12月06日(土) 11時19分
 予想通り(?)、日本馬の独壇場だった先週のジャパンC。さて、今週のジャパンCダートはどうなるでしょう?

 ジャパンCとジャパンCダートは、日本の“2大国際競走”。それだけに、ふだんのレースではお目にかかれない外国馬の勝負服を数多く目の当たりにする、めったにない機会でもあります。本来、勝負服は、帽子の色と柄も合わせてデザインされているもの。使用できる色と柄のパターンは、外国でも日本でも、ある程度決められています。でも、日本より外国のほうがバラエティは豊か。さらに、日本では、日本馬はもちろん外国馬でも、いわゆる枠番によって、帽子の色だけは「これ」というものを付けなければなりません。1枠=白、2枠=黒、3枠=赤…。今さら競馬ファンのみなさんにすべてを説明するまでもない、あの順番で、です。

 さて、そもそもあの色(帽色と言います)とその順番って、誰がどうやって決めたんでしょう? 基本的には、それぞれの馬を遠くからでもハッキリ区別するため、なるべく似かよって見える色を使わないように決められたはずです。残念ながら我が家にある資料では、その経緯を突き止めることはできませんでした。JRAかNARに問い合わせればわかることだと思いますが、そうする前にちょっと考えてみましょう。

 白と黒と赤。ここまではなんとなく想像できます。「白黒」、「紅白」というように、白=最も基本的な色と対照的な色を使うことで、ハッキリした区別をつけることができます。これで3枠まではOKなのですが、問題は4枠から先です。

 その昔の日本の競馬の服色(勝負服の色と柄)は、外国と同じように、帽子の色も含めて馬主が決めていたそうです。その帽色を枠番に合わせるようになったのは、当然ながら枠番式馬券が発売されてからの話。枠番式馬券の始まりは、6枠馬単制だったと聞いています。そうすると、白、黒、赤の他に3色が必要になってくるわけです。

 そこで登場するのが“反対色”。色には、色合い、明るさ、鮮やかさによって、反対の色(補色)というものがあるそうです。色(白と黒以外)を東西南北のように分けていくと、赤(北)の反対(南)は緑。また、黄(東)の反対が青(西)になります。まずはこれを、6枠制導入の際に取り入れたんじゃないでしょうか?(競輪か競艇かオートレースのほうが先だったりして)。

 その後、8枠連複制を始めるときに必要になったのが7枠と8枠の帽色。7枠=橙、8枠=桃というのは、どちらも“赤系”の色ですよね。どうしてそういう“同系色”が選ばれたんでしょう? 紫や茶、金、銀などが採用されてもよかったと思うんですが。

 そこで決め手になったのは、目にも鮮やか、とか、くっきりハッキリという部分。明るさと鮮やかさ、だと思われます。青と紫は、周りが暗くなったときに区別が付きません。金と黄、銀と灰色もそう。茶は、白や黄色に泥が付いたらわからなくなっちゃう色です。そういうあいまいさを排除するには、少々薄暗いところでも明るくて鮮やかで区別を付けられる、橙と桃しかなかったようです。

 このコラムをお読みいただいている方の中に、日本の競馬の“枠番別帽色”が決められた経緯をご存知の方がいらっしゃるかもしれません。この機会ですから、そういう方はぜひ当サイトにご教授ください。よろしくお願いします。

 さてさて、ジャパンCダートは、素直にヴァーミリアンとサクセスブロッケンに期待します。穴はアメリカ馬3頭でしょう。私がどういう馬券を買おうとしているかについては、いつものようにこちらをご覧ください。では、今回はこのへんで。

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テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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