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兄チョウサンの遺志を継ぐミスターチョウサン

  • 2008年12月08日(月) 23時46分
アイアムマリリン(牝 美浦・奥平雅士 父マンハッタンカフェ、母ヒシシルバーメイド)
 母ヒシシルバーメイドは現役時代9戦1勝。女傑ヒシアマゾン(94年エリザベス女王杯-GI、93年阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)の娘で、近い世代にSilver DeputyとNureyevを持つ配合構成は菊花賞馬オウケンブルースリとよく似ている。繁殖牝馬としてはニードルポイント(3勝、父フジキセキ)を送り出しており悪くない。マンハッタンカフェ産駒は母系にNorthern DancerとMr.Prospectorを併せ持つ血統が成功しているので、そのパターンにあてはまる本馬はおもしろい。

クレバートウショウ(牡 栗東・崎山博樹 父フジキセキ、母ヤマノトウショウ)
 母系にPrincely Giftが入るフジキセキ産駒は成功しており、過去にダイタクリーヴァ(00年スプリングS-GIIなど重賞5勝)、ドリームパスポート(06年きさらぎ賞-GIII、06年神戸新聞杯-GII)、オースミコスモ(重賞3勝)、タマモホットプレイ(重賞2勝)など多数の重賞勝ち馬が出ている。本馬はこのパターン。半兄サンライズジェガー(父リアルシャダイ)はアルゼンチン共和国杯(GII)を勝ち、天皇賞・春(GI)でも2着となった活躍馬。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ジュモー(牝 栗東・池江泰寿 父タニノギムレット、母ビスクドール)
 半姉アイスドール(父キャプテンスティーヴ)はOPクラスのダートで活躍中で、エンプレス杯(交流GII)4着などの実績がある。母ビスクドールはトゥザヴィクトリー(01年エリザベス女王杯-GI)、サイレントディール(03年武蔵野S-GIII)、ビーポジティブ(02年クイーン賞-交流GIII)などの兄弟にあたる良血。「タニノギムレット×サンデーサイレンス」の組み合わせからはスマイルジャック(08年スプリングS-GII)、ライムキャンディ(08年クイーンC-GIII・2着)、スズジュピター(07年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着)などが出ており成功している。Hyperion色の濃い母系は底力十分。スピードがあれば芝OK、なければダートでもツブシが利く。

スペシャルシンガー(牡 栗東・池江泰寿 父スペシャルウィーク、母シングライクトーク)
 半姉シングライクバード(父シンボリクリスエス)、セイレーンズソング(父サンデーサイレンス)はいずれもフラワーC(GIII)で3着となった実績がある。母シングライクトークは重賞で入着を繰り返し、2代母フリートークは重賞を2勝した。一族がコンスタントに走っているので確実性が高そうだ。父スペシャルウィークは現2歳世代が強く、牡馬のリーチザクラウン、牝馬のブエナビスタはクラシック有力候補。芝向きの中距離タイプ。

ミスターチョウサン(牡 美浦・清水利章 父ダンスインザダーク、母ステイヤング)
 先月調教中の事故で死亡したチョウサン(07年毎日王冠-GII)の全弟。ダンスインザダーク産駒は母系にディクタスとノーザンテーストを併せ持つ配合が成功を収めており、ツルマルボーイ(04年安田記念-GI)、マッキーマックス(06年ダイヤモンドS-GIII)、前出のチョウサンなどがこのパターンから誕生している。単に活躍馬の全弟というだけでなくニックスの裏付けがあるので信頼できる。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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