スマートフォン版へ

ネオユニ産駒の好配合馬クォーク

  • 2008年12月23日(火) 23時46分
アームズトウショウ(牝 美浦・奥平雅士 父コロナドズクエスト、母マザートウショウ)
 母マザートウショウは名門ソシアルバターフライの牝系にスティールハート、という血統どおりのスピード馬で、函館3歳S(GIII)、3歳牝馬S(GIII)、クイーンC(GIII)を勝った。繁殖牝馬としてはクラスターC(交流GIII)3着のトウショウトリガー、準OPに在籍中のトウショウガナーなどを産んでいる。本馬の父はコロナドズクエスト。したがって、フォーティナイナーを父とするトウショウガナーと4分の3兄弟の関係になる。ダート向きのマイラーだろう。

クォーク(牝 美浦・萱野浩二 父ネオユニヴァース、母ファーディーン)
 新種牡馬ネオユニヴァースは08年の最終週を残して19勝と、新種牡馬の勝利数ランキングでキングカメハメハ(23勝)に次ぐ第2位につけている。全体でも第3位なので大成功といっていい(1位キングカメハメハ、2位シンボリクリスエス)。サンデー産駒の活躍馬にしては珍しくヨーロッパ系のスタミナ血脈が強いので、素軽さを付与するために基本的にはアメリカのスピード血統を母系に入れたいところ。本馬はその条件に当てはまっている。Mr.Prospector系のConquistador Cieloが母系に入る点はミクロコスモス(08年阪神JF-GI・3着)と同じ。Halo≒Sir Ivor 3×4も好感が持てる。半兄トロイオンス(父コロナドズクエスト)は2戦2勝なので牝系の質もまずまず。芝・ダート兼用の中距離馬。

トーセンアサンテ(牡 栗東・大久保龍志 父ティンバーカントリー、母サイレントプレアー)
 母サイレントプレアーは繁殖牝馬として抜群の成績を挙げている。サイレントプライド(08年富士S-GIII、08年ダービー卿CT-GIII)、スズノマーチ(05年エプソムC-GIII)、トーセンマーチ(07年青葉賞-GII・2着)、ブリッコーネ(5勝)、オメガエンドレス(4勝)と、初仔のエリーマイラブ(1戦0勝)を除けばすべて上級条件または重賞で活躍している。本馬はスズノマーチの全弟。父はティンバーカントリーだが芝適性は十分だろう。

ビンテージチャート(牡 美浦・上原博之 父キングカメハメハ、母ピノシェット)
 半兄スピリタス(父タニノギムレット)は準OP在籍中で[3-3-0-1]という通算成績。いずれ重賞戦線の常連になるであろう素質馬だ。本馬の父キングカメハメハは現在、2歳リーディングのトップを快走中。この馬の母系にあるBlushing Groomと配合的に相性がいいと思われるので注目したい。芝向きのマイラーだが母の父がStorm Catなのでダートもこなす。仕上がりは早いだろう。

ヤマイチボム(牡 美浦・南田美知雄 父タヤスツヨシ、母コーラルピンク)
 母系にマルゼンスキーを持つタヤスツヨシ産駒には、ディーエスサンダー(03年マーキュリーC-交流GIII)、ビービートルネード(南関東公営で東京ダービー、戸塚記念、報知オールスターCを制覇)、マルタカハーモニー(準OP)などがいて成功している。名馬スペシャルウィークは「サンデーサイレンス×マルゼンスキー×セントクレスピン」という配合で、本馬は「タヤスツヨシ(その父サンデー)×マルゼンスキー×セントクレスピン」なので配合構成がよく似ている。母コーラルピンクの全兄アエロプラーヌはダービーグランプリ、川崎記念、東京王冠賞などの勝ち馬。ポテンシャルは高く、ダートの中距離で活躍しそうだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング