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好素質を秘めるキンカメ産駒エヴァ

  • 2009年01月12日(月) 23時00分
 エヴァ(牝 美浦・奥平雅士 父キングカメハメハ、母ラブフォーエバー)
 半兄ロールオブザダイス(父トワイニング)は昨年秋以降、500万下→1000万下→準OPと3連勝してダート路線のトップクラスに出世してきた注目株。母ラブフォーエバーはダービー馬タヤスツヨシと4分の3同血(父が同じで母が親子)の関係にある良血。父がキングカメハメハに替わったので、ダートはもちろん、芝コースに対する適性もあるだろう。マイルから2000mあたりが適距離。早熟タイプではなく成長力も期待できる。

 エリーズシチー(牝 栗東・田中章博 父フジキセキ、母ジェニーソング)
 父フジキセキと母の父Rahyは、近い世代にHaloとWild Riskが共通するので、組み合わせた際に面白みがある。父フジキセキは母系にMr.Prospectorを持つ配合が成功しており、過去にこの配合からカネヒキリ(05、08年JRA賞最優秀ダートホース)、コイウタ(07年ヴィクトリアマイル-GI)、テンシノキセキ(03年セントウルS-GIII)をはじめ多数の活躍馬が出ている。芝・ダート兼用で、マイル以下のスピードを活かすレースで活躍しそう。

 メイショウタイガ(牡 栗東・高橋成忠 父ブライアンズタイム、母オーシャンドリーム)
 半兄スピニングノアール(父スピニングワールド)は、CBC賞(GIII)2着など芝の短距離戦線で活躍している。母の父がフォーティナイナーなのでパワーの要る馬場で強いタイプ。半弟の本馬は父がブライアンズタイムで、Ribot 4×5のクロスがある。兄よりもさらにパワー型に傾いた配合なので、ダート路線に進むことになるだろう。1400〜1800mあたりがベスト。平坦小回りコースで特に強い。

 リョウシュウ(牡 美浦・田子冬樹 父ヘクタープロテクター、母スプリングバーベナ)
 母スプリングバーベナは中山牝馬S(GIII)の2着馬。すでに17歳だが、繁殖牝馬としては不受胎があったり産駒の体質が弱かったりで、競走馬としてデビューした馬はわずか2頭(うち1頭は地方馬)のみ。本馬は馬名登録まで漕ぎ着けたので3頭目のデビューの期待がかかる。「ヘクタープロテクター×ブライアンズタイム」なのでパワー色が濃く、芝をこなせないことはないが、どちらかといえばダートのほうがよさそう。距離的には万能だろう。

 ルーポ(牡 栗東・坂口正大 父フレンチデピュティ、母ファーガーズプロスペクト)
 半姉ゴッドインチーフ(父コマンダーインチーフ)はチューリップ賞(GIII)とファンタジーS(GIII)で2着、阪神3歳牝馬S(GI)3着、桜花賞(GI)4着など、2歳から3歳春にかけて牝馬戦線のトップクラスで活躍した。母の父Chief's Crownはダービー馬ディープスカイの母の父でもある。母系にMr.Prospectorを持つフレンチデピュティ産駒は無難に成功しており、芝・ダート兼用のマイラーとして堅実に頑張りそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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