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国内・海外200競馬場踏破へ向けて

  • 2009年01月17日(土) 00時00分
 国内・海外200競馬場踏破。前にも書きましたが、この大目標(?)達成まで、あと2か所になりました。このたび、その旅行プランが決まり、近々敢行する予定です。どの競馬場を200か所目にしたのかについては、実際に行ってからネタにさせていただきます。どうぞお楽しみに(何をもったいぶってるんでしょうか?!)。

 私の競馬場巡りは、1984年(昭和59年)11月の荒尾競馬観戦を“はじめの一歩”にしています。それまでにも東京、中山、大井の競馬は見に行ったことがありましたが、荒尾で、それらとはまるで異質のローカル色豊かな競馬に出会ったことが、地方や海外の競馬場巡りを始めるきっかけになったんです。

 海外での競馬観戦は、86年2月、アメリカ・ロサンゼルス郊外のサンタアニタ競馬場からスタート。以来、昨年10月のイギリス・グレートリーズまで、159か所の競馬場でレースを観戦してきました。訪れた国(と地域)は、アメリカ、イギリス、フランス、アイルランド、イタリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、オーストラリア、ニュージーランド、香港、マカオ、シンガポール、韓国、タイ、マレーシア、UAE(ドバイ)、アルゼンチン、南アフリカの計19か国。海外渡航回数は、23年間で80回を数えました。われながらよく行ったものです。

 でも、もしこれまでのスケジュールがすべて順調に消化されていたら、もうすでに200か所踏破は達成されていたはず。というのも、観戦を予定していた開催が中止になったことが数回あるからです。

 最初は98年12月、南アフリカに行ったときのこと。ヨハネスブルグの南、約60kmのところにあるヴァール競馬場での観戦を予定していました。ところが、当日早朝の大雨でレースは中止。ヴァールへ同行してくれることになっていた南アフリカジョッキークラブの関係者は、代わりに開催のないニューマーケットとゴスフォースパーク競馬場の見学に連れて行ってくれました。

 おかげで、ゴスフォースパークのオフィスでは、南アフリカで最も古いサラブレッド血統登録書、というのを見せてもらったのですが、結局この日の競馬観戦はキャンセル。

 このときの南アフリカ訪問では、ヨハネスブルグのターフフォンテーン、ダーバンのクレアウッドパーク、ケープタウンのケニルワース競馬場の3か所しか踏破できませんでした。

 これでおわかりいただけると思いますが、私が踏破した競馬場、というのは、「そこで馬券を買ってナマでレースを観戦した」ところだけ。「そこに行った」だけではダメなんです(ドバイでは馬券を買えませんが、予想が当たると賞金や賞品がもらえるクジがあるのでカウントしています)。

 次は、02年3月のイギリス。ニュートンアボットというローカル競馬場のレースが、これも雨のために中止。このときは、イギリス最大の障害競馬の祭典、チェルトナムナショナルハントフェスティバルの観戦をメーンにしていました。

 当時、このフェスティバルは火、水、木の3日間開催。このうち、火曜日と木曜日を観戦して、真ん中の水曜日はニュートンアボットへ行く予定でした。それが中止になったので、その日もチェルトナムへ。まぁこのケースは、かの有名な障害競馬のお祭りをタップリ堪能できたので、よかったと思っています。

 3度目は、03年1月のニュージーランド。なんと、晴れていい天気なのに競馬が途中で打ち切りになったという、とても珍しい出来事に遭遇してしまいました。首都ウエリントンの郊外にあるトレンサム競馬場に行こうとしたときのことです。

 ホテルを出る前に、テレビで第1Rの中継を見ていたら、4コーナーで落馬がありました。なんでもない落馬と思ったのですが、その後、検量室付近などから、ただならぬ雰囲気のレポートが入り始めます。必死に英語を聞いてみると、先ほどの落馬は、晴天続きで馬場が乾き、芝が滑りやすい状態になったために起きた、とのこと。騎手が「このままでは危なくて騎乗できない」と言っている、ようなのです。

 確かに、第2Rの発走時刻が近づいているのに、出走馬の紹介もなく、パドックの様子も映りません。「きょうは重賞のある日だから、主催者は何とかするだろう。取りあえず行ってみよう」と電車で競馬場へ向かったのですが、現地に着いたら、案の定、第2R以降が打ち切りになっていました。

 後にも先にも、天気が良すぎて競馬が中止になった、なんていう事件に出くわしたのはこのときだけ。地球の反対側から遠路はるばる観戦に来たのに、なんてこった、と思いましたね。

 この3つの競馬が予定通り開催されていたら、200競馬場踏破はすでに達成済みとなっていたわけです。「たかが3か所」とはいえ、遠い海外ともなれば「されど3か所」。目前に迫った200競馬場踏破はともかく、その後、海外200競馬場踏破(あと41か所)を目指すにあたっては、大きなロスと言えるかもしれません。

 でも、すべてのスケジュールが予定通りに進むなんてありえないこと。さらに、ちょっとしたアクシデントなら、こうして話のネタにもできるわけで、それも「ま、いいか」としておきましょう。

 そうそう、寒い日が続いていますが、この冬の競馬が雪で中止にならなければいいですね。京成杯は素直にナカヤマフェスタ、日経新春杯はちょっとヒネってメイショウクオリアを軸にしてみます。では、また来週。

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テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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