サトノサーガ(牡 美浦・藤沢和雄 父Fusaichi Pegasus、母Tee Kay)
有馬記念(GI)と天皇賞・秋(GI)を2連覇して2年連続JRA年度代表馬に輝いたシンボリクリスエスの半弟で、ダート準OPのピサノデイラニの全弟でもある。シンボリクリスエスの父Kris.Sは芝向きのスタミナタイプ。Fusaichi Pegasusはパワー型の中距離タイプ。母Tee Kayは父の特徴を素直に産駒のなかに表現するタイプの繁殖牝馬のようだ。本馬はピサノデイラニに似たタイプだろう。ダ1600m〜1800mがベストで、馬のデキがよければ重賞でも。
スマイルトゥゲザー(牝 美浦・戸田博文 父ブライアンズタイム、母スマイルトゥモロー)
母スマイルトゥモローはオークス(GI)とフラワーC(GIII)の勝ち馬。母系に潜むサウスアトランティックの影響なのか、常識にかからない気難しいところがあり、古馬になると大逃げを打って場内を沸かせることもしばしばだった。ブライアンズタイムを父に持つ本馬はその2番仔。全兄スマイルオンザランは芝1800mの新馬戦を快勝した素質馬。中距離向きの本格派というイメージだが、母の気難しさが伝わった場合、マイラーになる可能性も。ダートはOK。
ポールアックス(牡 美浦・藤沢和雄 父キングカメハメハ、母レディオブチャド)
母レディオブチャドはフランスで走り、マルセルブサック賞(G1)、アスタルテ賞(G2)、グロット賞(G3)を制した名牝。繁殖牝馬としてはアフリカンビート(父サンデーサイレンス、3勝)、ボーダレスワールド(父ダンスインザダーク、2勝)、キングオブチャド(父ダンスインザダーク、1勝)を送り出している。本馬の父は昨年の2歳リーディングサイアーに輝いたキングカメハメハ。兄3頭はいずれもサンデー系だったが、初めて違う系統を試された。ラストタイクーン3×2というインブリードは大胆。ちなみに全日本2歳優駿(交流GI)2着のナサニエル(父キングカメハメハ)は、ラストタイクーンの父トライマイベストの同血クロス(トライマイベスト=エルグランセニョール4×3)を持っている。ここを刺激する配合は悪くなさそう。芝向きの中距離タイプ。
ラドラーダ(牝 美浦・藤沢和雄 父シンボリクリスエス、母レディブロンド)
母レディブロンドは名馬ディープインパクトの半姉で、現役時代は6戦5勝。スプリンターズS(GI)で4着という成績がある。初仔のジャングルビジット(父ジャングルポケット)は裂蹄を繰り返して中央ではデビューできず、地方競馬に転出した。幸いなことに本馬の父は頑健なシンボリクリスエス。すでに1月中のデビューを目指して乗り込まれているとのことなので、体質面の心配はなさそうだ。シンボリクリスエスはMr.Prospector系との相性がいいので配合的にも楽しみが大きい。
ラミアクイーン(牝 美浦・藤沢和雄 父キングカメハメハ、母クイーンモード)
母クイーンモードはフランスでヴェルメイユ賞(G1)、ヴァントー賞(G3)を勝った名牝。ヨーロッパ血統の奥深さを感じさせるスタミナ血統で、現代の主流血脈をまったく含んでいない。アメリカ血統の種牡馬を付ければ何でも走りそうな雰囲気がある。キングアーサー(父サンデーサイレンス、4勝)、ハイソサエティー(父フレンチデピュティ、4勝)、リバースモード(父Fusaichi Pegasus、3勝)など、産駒はコンスタントに走っている。本馬の父はキングカメハメハ。Tourbillon-Djebelのラインが父母を結びつけており、配合的に評価できる。切れ味が備わっていればおもしろい。マイルから中距離に向いた芝馬。