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ゴドルフィン、英ダービーの有力候補を購買

  • 2009年01月28日(水) 11時59分
 今年の英国ダービーを目指す有力馬の1頭が、ゴドルフィンにトレードされたというニュースが伝わってきた。

 推定金額600万ポンド(約7億5千万円)で買収され、ロイヤルブルーの勝負服を背負って09年の3歳クラシックを目指すことになったのは、カイトウッド(牡3歳)だ。ミッドシップマン、ヴァインヤードヘヴンというケンタッキーダービー候補を擁するゴドルフィンとしては、これで欧米両大陸のダービーを目指す手駒が揃ったことになる。

 父がガリレオで、叔母にG2・2勝のマダムデュボワ、いとこに愛2000ギニー勝ち馬インディアンヘイヴン、同じくいとこに伊グランクリテリウム勝ち馬カウントデュボワがいるという牝系のカイトウッド。07年のタタソールズ・オクトーバーに上場され、英国人馬主トマース・バー氏の依頼を受けたエージェントのマイケル・グッドボディー氏が27万ギニーで購買。マイケル・ジャーヴィス調教師の管理馬となって2歳8月にデビューし、緒戦は勝ちはぐったものの2戦目にドンカスターの距離メイドンで初勝利。その後、10月11日にアスコット競馬場で行われた距離8fのG3オータムSに駒を進めて快勝し、重賞初勝利を飾った。

 このオータムSの内容が評価され、大手ブックメーカーが13倍から15倍のオッズを掲げて3〜4番人気に推すことになったカイトウッド。父はゴドルフィンにとって宿敵とも言えるクールモア陣営の手の内にある種牡馬だが、母の父はシェイク・モハメドのオーナーブリーデイングホースとして英2000ギニーやクイーンエリザベス2世Sを制したマークオブエスティームで、今回の買収劇にはこの辺りの血統背景も大きく関与していそうである。

 それでは、英国ダービーへ向けたアンティポスト戦線を目下のところリードしているのは、どんな馬たちなのか。

 ブックメーカー各社が7〜9倍のオッズを掲げてこぞって1番人気に支持しているのが、英国におけるダービーの登竜門と言われているドンカスターのG1レーシングポストトロフィーを快勝した、ブライアン・ミーハン厩舎のクラウデッドハウス(父レインボウクエスト)だ。こちらは、タタソールズ・オクトーバーで7万5千ギニーという「お買い得価格」で購買された馬で、07年7月に亡くなった父にとっては、最後から2世代目の産駒の1頭となる。

 大手ブックメーカーのラドブロークスが、オッズ9倍でクラウデッドハウスと横並びの1番人気に推しているのが、母が凱旋門賞馬アーバンシー、兄に英愛ダービーに加えてキングジョージを制したガリレオがいるという、超良血馬シーザスターズ(父ケープクロス)だ。カラで行われた8fのG2ベレスフォードSを制している。

 各社ともカイトウッドとほぼ横並びの評価となっているのが、オブライエン厩舎のリップヴァンウィンクル(父ガリレオ)だ。カラのメイドン、レパーズタウンのG3タイロスSと連勝。続いて挑んだ英国の2歳王者決定戦G1デューハーストSでは1番人気を裏切り7着に敗れたものの、その素質が相変わらず高く評価され人気を維持している馬である。

 英国における芝平地シーズンの開幕まであと2か月足らず。アンティポスト戦線も、いよいよ佳境に突入したと言えそうだ。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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