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芝向きのマイラーとして期待大、バアゼルリバー

  • 2009年02月03日(火) 23時46分
 コスモキリンジ(牡 美浦・国枝栄 父Johar、母Lafleur)
 南半球のニュージーランド産馬なので生まれが約半年遅い。母LafleurはニュージーランドでARCロイヤルS(G2・芝2000m)、サートリストラムフィリーズクラシック(G2・芝2000m)を勝った。3代母Habibtiは全欧3歳スプリントチャンピオンに輝いた女傑。父JoharはBCターフ(米GI)の勝ち馬で、サンタアニタのサンマルコスS(G2・芝10f)では1分57秒92というレコードで勝っている。現3歳の初年度産駒からはまだこれといった活躍馬は出ていない。芝向きの中距離血統で、Lt.Stevens=Thong 5×6などがあり配合水準は上々。期待できそう。

 シルクプレジデント(牡 栗東・矢作芳人 父アグネスデジタル、母ドリームクロス)
 全姉エイムアットビップは阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)3着、ファンタジーS(GIII)2着などの成績を残している。母ドリームクロスは未勝利馬だが、2代母カムイイットーはシンザン記念(GIII)3着馬で、ハギノトップレディ(80年桜花賞、80年エリザベス女王杯)、ハギノカムイオー(83年宝塚記念)の半妹にあたる良血。つまり、キューピット(1957年生)を源流とする“華麗なる一族”に属する。2代父Crafty Prospectorと母の父トニービンとの相性は良好で、全姉が走っているので信頼性が高い。芝向きのマイラー。

 スノーオブサハラ(牡 美浦・小島茂之 父シンボリクリスエス、母ニキーヤ)
 半兄ゴールドアリュール(父サンデーサイレンス)はダートGIを勝ちまくり、JRA賞最優秀ダートホースとNARグランプリ・ダートグレード競走最優秀馬に選ばれ、種牡馬としても期待を上回る成功を収めている。半兄ニルヴァーナ(父サンデーサレインス)は重賞で入着を繰り返し、半姉オリエントチャーム(父サンデーサイレンス)はマーメイドS(GIII)で3着。これらはいずれもサンデー産駒なので、シンボリクリスエスを父に持つ本馬がどのようなタイプになるのか注目したい。素軽いスピードで勝負するというよりは力強さが前面に出てくると思われるので、ダートのほうがいいかもしれない。中距離向き。

 ダイヤモンドフィズ(牝 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母タイキダイヤ)
 母タイキダイヤは名牝Patently clear:both;(重賞勝ち馬を3頭送り出す)の娘で、現役時代はスピードを武器に芝1200mのクリスタルC(GIII)を勝った。本馬はその4番目の子。母系に含まれるDamascusやRaja Babaは父キングカメハメハと相性がいいと思われる。母の特徴からして一本調子のスピード馬になりそうだが、配合水準が高いので上のクラスまで出世する可能性を秘めている。芝・ダート兼用のスプリンターまたはマイラー。

 バアゼルリバー(牡 栗東・松田博資 父フジキセキ、母フレンドレイ)
 半兄タガノデンジャラス(父エンドスウィープ)は大阪杯(GII)4着、半姉ラッシュライフ(父サクラバクシンオー)は函館2歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)で2着。兄弟はなかなか優秀だ。本馬の父はフジキセキ。「フジキセキ×デインヒル」で母系の奥にNijinskyが入る、という配合パターンはエイジアンウインズ(08年ヴィクトリアマイル-GI、08年阪神牝馬S-GII)と同じ。芝向きのマイラーとして期待大。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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