1月30日「川崎記念」。出否を保留していたトーシンブリザードが回避を決め、結局JRA断然の顔ぶれになってしまった。ブリザードは2月東京「フェブラリーS」目標。距離適性、相手関係…陣営はさまざま思惑をめぐらせたらしいが、この選択がどう出るか。最後は石崎騎手の進言があったとも聞く。ブリザードは本質的に快速馬という判断なのだろう。プロの体感。相手はむろん強くなるが、いよいよ夢も大きくなった。
ともあれこのレース、JRA4頭からどれをとるか、かなり迷わされる部分はある。力関係はもちろん、川崎2100mは鋭角なカーブを6度回り、器用さと機動力が要求される。天候からは道悪の巧拙も重要なポイントか。一昨年はインテリパワーが何ともしぶといレースぶりで勝ち、昨年はレギュラーメンバーが先手必勝を決めた。対してファストフレンドは結果力に頼りすぎた、2年連続の惜敗だった。
川崎記念(サラ4歳以上 定量 交流G1 2100m)
◎プリエミネンス 柴田善
○リージェントブラフ 吉田豊
▲ムガムチュウ 藤田
△ハギノハイグレイド 武豊
△ドラールアラビアン 的場文
プリエミネンスが総合力でリードする。ジャパンC・ダートで2年連続入着を果たした地力があり、加えて川崎コース[2-1-0-0]。昨秋スパーキングレディーCもレディバラードを正攻法で押さえ込んだ。鞍上はダートで少しズブいような馬に乗って最もその腕を発揮する。2100m、そう速い逃げ馬も見当たらず、好機にまくる競馬になるだろう。
リージェントブラフは前走大賞典2着。昨春船橋ダイオライト記念勝ちからも、最近珍しいダートの中~長距離走者。岩手ダービーグランプリの覇者ムガムチュウも似たようなムードがある。武豊ハギノハイグレイドは、佐賀記念、名古屋グランプリと続けてミツアキサイレンスに競り負け、地方向きのパワーは本質的に疑問だろう。鞍上で人気になるとすれば妙味が薄い。地方ではドラールアラビアン1頭が争覇圏。的場文騎手だけに、あるいは意表を突いた逃げという手もないではない。
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23日大井「TCK女王盃」。レディバラードは案外な辛勝だった。先行したベラミロード、ノボサンシャインがあっけなくバテて、3~4コーナー早くも先頭。直線を向いていったん3馬身ほどもリードした。が、一完歩ごとに迫るオンワードセイント、さらに外からヤマノジェネラス、メイプルベガ。おそらくあと10mもあれば完全に呑み込まれていた。2分06秒8、レディの上がり推定39秒4。けっしてほめられる内容ではない。
TCK女王盃(サラ4歳以上牝馬 別定 交流G3 2100m重)
◎(1)レディバラード 54藤田 2分06秒8
△(2)オンワードセイント 54勝浦 頭
△(3)ヤマノジェネラス 52張田 3/4
○(4)メイプルベガ 52金子 1/2
▲(5)セクシーディナー 53内田博 3
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△(6)ナミ 55的場文
単210円 馬複1620円 馬単1880円
レディバラードは当日マイナス5キロ。パドックの気合なども十分で、仕上がりとするとほぼ満点にみえた。1000m通過61秒9のペースだから特に早仕掛けでもなく、結局パワーの点でもうひとつという結論だろう。船橋クイーン賞の勝ちっぷり、福島1700mのレコードなどを買いかぶりすぎていた。現時点ではやはりJRA仕様の快速ランナーにすぎないということ。逆にオンワードセイントは地方向きの馬力型で、道中怪しい手応えにみえながら最後までじわりじわりと伸びてくる。距離2000m以上なら今後も期待できそうだ。ヤマノジェネラスは昨暮れ北海道から大井転入。こちらの水が合ったようで、エンジンかかっての瞬発力が素晴らしい。ナミは懸念した通り夏型だろう。道中インの3番手、まったく隙のないレースをしながら追ってさっぱり伸びなかった。ササ針を打ちしばらく休養の予定。セクシーディナーは全体に流れに乗れず末脚不発。メイプルベガも結果的にはもう少し前で競馬をしたかった。