【3歳】
ゴルデンシュライン(セン 栗東・加用正 父ダンスインザダーク、母ゴールデンジャック)
母ゴールデンジャックは報知杯4歳牝馬特別(GII)とサンスポ賞4歳牝馬特別(GII)を勝ったほか、オークス(GI)でも2着に食い込んた。アフリート産駒でありながら2400mのGIで勝ち負けに持ち込んだのは高い能力の証明。繁殖牝馬としても優秀で、関屋記念(GIII)を含めて重賞を3勝したサイドワインダーを産んでいる。全兄ゴールデンミションは中央ではダートで1勝を挙げるにとどまったが、「ダンスインザダーク×アフリート」の組み合わせからはOPクラスで活躍したナイトフライヤーが出ているように、決して悪い配合ではない。馬のデキさえ良ければ上級クラスも望める。
ズンダモチ(牡 栗東・長浜博之 父Smadoun、母ヘヴンリーソング)
半兄にダニエル・ヴィルデンシュタイン賞(仏G2・芝1600m)を2連覇するなど重賞を4勝したSpirito del Ventoがいる。父Smadounは現役時代、フランスで63戦16勝とタフに走った。仏G3で2着となったのが目立つ成績で、高いレベルの競走馬だったわけではない。しかし、産駒からチチカステナンゴ(01年リュパン賞-仏G1、01年パリ大賞典-仏G1)が出現し、チチカステナンゴは無敗で仏ダービー(G1)を制したVision d'Etatの父となった。チチカステナンゴは社台グループが輸入し、今年、ダイワスカーレットと交配する。芝向きの中距離タイプで、Caro系の切れ味が備わっていればおもしろい。
ニポーティ(牝 栗東・矢作芳人 父キングカメハメハ、母ホシノピアス)
母ホシノピアスはフェアリーS(GIII)2着、フィリーズレビュー(GII)4着と活躍した。父キングカメハメハは現役時代にダービー(GI)とNHKマイルC(GI)を制し、昨年、新種牡馬ながら2歳リーディングサイアーに輝いた。代表産駒はフィフスペトル(08年函館2歳S-GIII)。
キングカメハメハの父Kingmamboは、母の父がNureyevなので、それと4分の3同血の関係にあるSadler's Wells、またはそれに近い血を母系に入れることで大成功した。キングカメハメハにおいてもこのパターンは生きており、本馬は母の父がNureyevの近親のジェイドロバリーなのでこれに当てはまる。「キングカメハメハ×ジェイドロバリー」はキングスレガリア(08年デイリー杯2歳S-GII・3着)と同じ。芝・ダート兼用のマイラー。
【2歳】
グランデタキオン(牡 美浦・相沢郁 父アグネスタキオン、母ラークホイッスル)
母ラークホイッスルはカナダの2歳牝馬チャンピオン。本馬の半兄モエレソーブラッズ(父サンデーサイレンス)は兵庫ジュニアグランプリ(交流GIII)を勝ち、半姉ペニーホイッスル(父サンデーサイレンス)は、フェアリーS(GIII)2着、東京新聞杯(GIII)5着などの成績がある。
母系にDeputy Ministerを持つアグネスタキオン産駒からは、ミンティエアー(07年フローラS-GII・2着、07年オークス-GI・4着)とダイワカンパニー(1戦1勝)の姉弟などが出ており悪くない。芝・ダート兼用のマイラー。仕上がりは早く、平坦適性も高そうなので、夏のローカル競馬から走ってきそうだ。
ロードシップ(牡 美浦・相沢郁 父マンハッタンカフェ、母ヒダカゲラン)
母ヒダカゲランは未勝利馬。母の半姉にメガミゲラン(97年北九州記念-GIII・3着)がいる。父マンハッタンカフェは今年絶好調で、現在、種牡馬ランキングのトップを快走している。瞬発力型で、全体的に柔らかすぎるイメージがあるので、パワフルな血を入れて弱点をカバーする、という方向で配合を考えたいところ。母は「ミルジョージ×モガミ」というパワー型の配合なので悪くない。母系にモガミを持つマンハッタンカフェ産駒は過去に5頭しかデビューしていないが、そのなかからハリーアップ(準OP)が出ている。芝向きの中距離タイプ。