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ばんえいで5重勝式馬券導入

  • 2009年04月04日(土) 00時43分
 先月29日に行われたばんえい記念。トモエパワーの3連覇をしっかりナマで見届けてきました。当日のレポートは、田中哲実さんの「生産者だより」をお読み下さい(恥ずかしながら、私と旋丸巴さんのトークショーの様子も載っています!)。

 田中さんのコラムにもありましたが、もうみなさんもご存知の通り、ばんえい競馬では、この秋から「5重勝式馬券」を発売するそうです。ばんえい競馬最大のレース、ばんえい記念の当日に発表された“サプライズ・ニュース”。すでに競輪では、「チャリロト」とか「Kドリームス」といった重勝式車券が発売されていますが、競馬では初めての導入になります。

 はたしてそれが、「チャリロト」や「ビッグドリーム」のように買い目はコンピューター任せで決められてしまうのか、それとも「チャリロト・セレクト」、「チャリロト・リターン」や「K☆3」、「K☆5」のように購入者が買い目を選べるのか。ファンにとっては大いに気になるところですね。でも、そのへんは主催者と監督官庁=農水省とで調整中とのこと。結論が出るまで、いましばらくお待ち下さい。

 この重勝式馬券。買えるのは、オッズパークの投票会員だけです。つまり、地方競馬の馬券を買いたくて会員登録した人たちが対象ということ。ばんえい競馬が、そういう人たちを相手に、他の競馬場では“あるのが当たり前”になった3連単の導入を見送ったまま、5重勝を先に発売するというのは、どういう意図があってのことでしょう?

 これは私の推測ですが、3連単を導入しても、今まで他の賭け式の購入に充てられていた金額の一部が3連単の購入にシフトされるだけで、売り上げ総額のアップにはつながらない、競馬界初の5重勝なら(3重勝までは以前にあったようですが)、インパクトは十分、オッズパーク会員の人たち(私も含めて)が“宝くじ感覚”で“プラスアルファ”のお金を賭けてくれれば、3連単を導入するよりも売り上げアップが見込める、と判断したのかもしれません。

 つまりここが、5重勝導入のキモ。売り上げ総額はそのままで、その内訳(賭け式別売り上げの比率)が変わるだけではダメなんです。新馬券は、今までにない、従来のものとは違う馬券にしたほうが効果的。5重勝は、買い目を自分で決められる“3連単の拡大版”ではなく、コンピューター任せの“宝くじ的馬券”にして、ファンには“別の財布”のお金を使ってもらおう、さらに、これまでレースを予想して馬券を買うのは面倒、とか、ばんえい競馬はよくわからない、なんて思っていた人にも、“宝くじ的馬券”なら手軽に買えるので、導入をきっかけにオッズパーク会員になって、どんどん買ってもらおう…。私が主催者なら、そう考えます。

 そんなわけで、ばんえい競馬が今回新たに導入しようとしているのは、「チャリロト」のような、コンピューターが買い目を決める重勝式馬券になりそうな気がします。「予想して買えないんじゃぁつまらない」ですか?

 競輪ファンならご存知の通り、「チャリロト」では、コンピューターが提示した買い目を買うか買わないかは、購入者が決められます。買いたくなければキャンセルして、別の買い目をコンピューターに選ばせることができるんです(ただし、新たな買い目を提示させる回数には上限が設定されています)。自分の予想通りか、あるいはそれに近い買い目が提示されるまで、コンピューターを働かせることができるので、まるっきりコンピューター任せというわけではありません。もし、ばんえい競馬が「チャリロト」タイプの5重勝を導入するなら、ぜひこのシステムを取り入れてほしいですね。

 そうそう、新馬券の名前はどうします? 当然、一般公募で命名、ってことになるはずですが…。ばんえい競馬ですから、「BANBAN5(ばんばんファイブ)」とか「BIGBAN5(ビッグバンファイブ)」なんていかがでしょう? ムムッ、こんなところで私が提案したら、公募に影響しちゃいますか?(一般公募になったとしても私は応募しませんから、これがいいと思った方はどうぞ!)

 なにはともあれ、ばんえい競馬の5重勝発売を楽しみにしましょう。発売開始のあかつきには、みなさんもどうかご参戦を! で、今週の大阪杯はカワカミプリンセス、ダービー卿CTはマイネルスケルツィを軸に買います。では、また来週。

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テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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