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兄ネヴァブションに続け! トレノヴィジョン

  • 2009年04月21日(火) 11時55分
【2歳】
イチエイクリッパー(牡 美浦・浅野洋一郎 父スキャン、母バタラバ)
 母バタラバは2勝馬だが、3歳春にユニコーンS(GIII)に出走した(13着)。父スキャンはMr.Prospector系で、やや線が細いだけに母系に重厚なスタミナ血脈を持つものが大成する。「スキャン×バンブーアトラス」の組み合わせからはナムラキントウン(98年中京記念-GIII・2着)、ナムラモンスター(02年東京スポーツ杯2歳S-GIII・5着)が出ている。本馬の母の父はバンブービギン(父バンブーアトラス)なので、これらと血統構成が近い。地味ながらよくできた配合だ。芝・ダート兼用の中距離馬。

シンキイッテン(牡 美浦・谷原義明 父ミラクルアドマイヤ、母ジョーシャルマン)
 トニービンはノーザンテーストと相性がよく、エアグルーヴ、サクラチトセオー、テレグノシスと、ノーザンテーストの肌馬から3頭のGIホースを送り出した。トニービンの息子ミラクルアドマイヤはその代表産駒カンパニーを、やはりノーザンテーストの肌馬から送り出した。本馬は母系にノーザンテーストを持つミラクルアドマイヤ産駒で、母系の奥にはMr.Prospectorを持っている。この血統構成はカンパニーと非常によく似ている。芝のマイル戦線で期待できる好配合馬。

スーサンストリーム(牡 栗東・岩元市三 父クロフネ、母レイナシンフォニー)
 母レイナシンフォニーはフローラS(GII)4着馬。2代母レイナロバリーは報知杯4歳牝馬特別(GII)5着馬。2代続けて芝の重賞で入着している。ただ、「クロフネ×ブライアンズタイム×ジェイドロバリー」という構成を見ると、芝向きの軽快さよりもダート向きのパワーを感じさせる。母の父ブライアンズタイムは、ブルーコンコルドやエスポワールシチーといった馬の母の父でもあり、強い砂適性を伝える。ダート向きのマイラー〜中距離馬だろう。

トレノヴィジョン(牡 美浦・伊藤正徳 父サクラプレジデント、母パールネツクレース)
 半兄ネヴァブション(父マーベラスサンデー)はアメリカJCC(GII)、日経賞(GII)の勝ち馬。父サクラプレジデントは現役時代、中山記念(GII)をレコード勝ちするなど重賞を3勝した。種牡馬としては今年の3歳世代が初年度産駒で、出世頭は忘れな草賞(OP)3着のサクラローズマリー。母パールネツクレースはサンデー系種牡馬との交配で繁殖牝馬として飛躍することができた。同じサンデー系のサクラプレジデントは悪くないだろう。芝向きの中距離タイプ。

ポートサンダー(牡 栗東・岩元市三 父アグネスタキオン、母カラサヴィーナ)
 母カラサヴィーナは不出走馬だが、その全兄姉にDesert Secret(92年ロイヤルロッジS-英G2)、Bineyah(92年ヨークシャーオークス-英G1・2着)、In Camera(95年ダービートライアルS-英G3・3着)がいる。2代母Clandestinaは米三冠馬Seattle Slewの半妹。良血の繁殖牝馬だけあって日本に輸入される前にアメリカでステークス勝ち馬を送り出している。本馬と同じく母系にSadler's Wellsを持つアグネスタキオン産駒にはアドマイヤコマンド(08年青葉賞-GII)がいる。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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