しらさぎ賞(4月29日 浦和 サラ3歳以上牝馬 別定 SIII 1400m)
「しらさぎ賞」は、07年から一転、リニューアル。牝馬スプリント戦として再生された(06年まで3歳戦・羽田盃前に実施)。本来レース名自体を変えるべきとも思うが、地元らしさを残したい(さいたま市・鷺宮公園はかつてしらさぎの生息地)…いわく施行者的感覚とはそんなものか。ともあれ、南関東牝馬重賞は明らかに“濫造”なのに、1200〜1400mのスプリント戦がなぜかなかった。コーナー4度、小回りながら浦和1400mは、JRA交流戦などを見ていると原則ストレート勝負の印象が濃い。意外な“名物レース”として発展する期待も浮かぶ。ひとまず過去2年の成績を列記しておく。
07年
1.ベルモントノーヴァ 1分25秒1 3人気 直一気
2.クリムゾンルージュ 2 1人気 好位伸
3.アストリッド 1/2 2人気 先行粘
08年
1.アストリッド 1分27秒7 1人気 逃切り
2.パフィオペディラム 3/4 2人気 好位伸
3.メジャーロマンス 1.1/2 7人気 先行粘
要求されるものは、やはりスピードと瞬発力。アストリッド、パフィオペディラムは2年連続の出走で、それぞれ持ち味を100%生かしている。昨年後半から砂質が厚く、かなり時計がかかっている(中堅1400mで1分28秒台)浦和コースだが、今週は開催前の雨でおそらく高速馬場だろう。ハイペースを離されず追いかけ、最後もうひと脚使えるタイプが理想。コース実績、持ちタイムがあれば心強い。前2年、1〜3着はすべて船橋所属馬、円熟期の5〜6歳馬が強い傾向。優勝したベルモントノーヴァ、アストリッドとも、当時は“上がり馬”というポジションだった。
◎パノラマビューティ
(54・御神本)
○パフィオペディラム
(55・左海)
▲トキノミスオース
(55・坂井)
△デザートレジーナ
(52・戸崎)
△ミスジョーカー
(55・本橋)
△トーセントップラン
(52・的場文)
△ハタノギャラン
(52・笠野)
ブライズメイト
(55・山田信)
マダムルコント
(55・町田)
ヒビキウィン
(52・桑島)
パノラマビューティの切れ味を買う。JRA時ダート未経験(芝3勝)で船橋転入。しかし以後の戦歴からは“潜在能力開花”という言葉が当たり、前々走「TCK女王盃=GIII」、ヤマトマリオンの3着など、予測、イメージを大きく超える結果が出た。とりわけインパクトが強かったのは、昨秋浦和1400m。当時出遅れをまくり気味に追い上げ、ゴール寸前痛快な逆転劇。上がり36.9秒、トーセンラヴ(続くオーバルスプリント勝ち)を下しただけに価値がある。前走「エンプレス盃」(7着)から間隔はあいたが、長短合わせ追い切り4本。このステップがむしろ充電になるタイプだろう。
昨年2着パフィオペディラムにも、ここは狙いの一戦だ。タイトルこそ大井1800m「TCKディスタフ」(連覇)だが、本領発揮はむしろ短〜マイルのスピード勝負。今年1月「船橋記念・1000m」を追い込んで3着など、こと短距離なら流れに応じ自在に動ける。トキノミスオースは、前走長休明け(14か月)を叩いて変わり身しだい。3歳時「ロジータ記念」を制し、続く「東京シンデレラマイル」でもベルモントノーヴァに食い下がった(1/2差2着)絶対能力。好位から息の長い脚を使うタイプで、JRA時1200〜1400mにも良積がある。ミスジョーカーは右回り1600mが最も合う印象で、忙しい競馬をどうこなすか。それなら、通算[13-5-3-3]、充実度でヒケをとらないデザートレジーナ、JRA・1000万下、1400m得意のトーセントップラン。ともに52kgの恵量だ。