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世界の競馬“時間割”

  • 2009年05月16日(土) 10時00分
 ここまで続くと、恐ろしささえ感じちゃいますね。「何が?」って、「車名馬」ですよ。先週のNHKマイルCは、1着ジョーカプチーノ(カプチーノ=スズキの軽自動車)、2着レッドスパーダ(スパーダ=ホンダのステップワゴン)、3着グランプリエンゼル(グランプリと言えばカーレース)、4着マイネルエルフ(いすゞのトラック)。これでもか、というくらいの「車名馬」決着でした。もう「何だかなぁ」って感じです。まぁ、いつかはこの“流れ”も止まると思うんですけどね。

 それはさておき、今年は門別、高知でナイター競馬が始まります。そのほか、薄暮競馬を実施する競馬場も急増、“夕型”、“夜型”の開催が珍しくなくなってきました。

 JRAでは、3場同時開催の時などに、朝9時50分発走というレースが組まれることがあります。こんなに早い時間から競馬が開催されるのは、たぶん日本だけだと思います。

 本場イギリスやアイルランドの競馬は、春から秋にかけては第1Rが2時過ぎ、最終Rが5時頃発走というのが基本的パターン。日没時間が早まる冬の間は、12時過ぎから3時半頃までの開催になります。

 反対に、緯度の高さとサマータイムの施行で日没が午後9時頃になる夏のシーズンには“トワイライトミーティング”が実施されます。これがホントの“薄暮開催”で、第1Rは6時頃、最終Rは9時前後の発走。ナイター照明は必要ありません。ナイターをやるのはオールウェザートラックのレースを行う競馬場で、こちらは真冬でもナイターを実施しています。

 フランスの競馬も午後2時前後からスタート。午前中に軽く観光や買い物を済ませ、町中のレストランで昼食を取ってから競馬場へ行っても、第1Rに間に合うはずです。

 でも、この国の主な競馬場には、昼頃から開いている「レストラン・パノラミーク(レースを観戦できるレストラン)」があります。メニューはもちろんフランス料理のコース。私も、いくつかの「レストラン・パノラミーク」で食事をしましたが、「まずい」と思ったことは今のところありません。

 フランス競馬観戦の際は、たとえ第1Rの発走が2時頃であっても、12時ぐらいには競馬場に行って、「レストラン・パノラミーク」で食事をしながらレースを楽しむことをオススメします。なお、フランスでナイターと言えば、トロットのレースがほとんどです。

 イタリアには、午後3時から4時頃にかけて始まる通常の昼開催に加え、イタリア風“朝型競馬”の「マチネー開催」があります。第1Rが11時過ぎ、最終Rは午後2時前というプログラム。とにかくアッと言う間に終わってしまいます。この場合、最終Rが終わった後でも、近所の「リストランテ」に駆け込めば、ランチタイムの営業終了に間に合うわけです。その後2時間ぐらいを観光にもあてられるので、なかなか便利(?)な開催と言えます。

 昼間の開催もナイター開催も一緒になっちゃってるのがアルゼンチンの競馬。1日に14〜16レースが行われる日があります。第1Rの発走は、レース数が少なければ午後4時頃、多い日だと午後2時頃。最終Rは午後10時頃の予定です。

 ただし、この国では発走時刻が遅れるのが当たり前。たぶん、実際に最終Rがスタートするのは深夜0時近くになるようです。アルゼンチンの人たちはかなりの夜更かし。レストランが夕食を取る客で賑わい始めるのが夜の9時頃からですから、夕方4時頃から競馬が始まる日でも、夕食前にたっぷりレースを楽しめます。

 まだまだ世界中には、いろいろな競馬の“時間割”があると思います。珍しいパターンの開催に出くわしたら、またご報告させていただくつもりです。

 さて、今週はヴィクトリアマイル。馬券を当てる自信はほとんどありませんが、いつものように、私の予想は「矢野吉彦の競馬日記」で公開しています。「今年のGIは車名馬」というのに気がついた某氏は「ブラボーデイジー(ブラボー=三菱のミニキャブ)が怪しい」と言っています。では、また来週!

地方、ばんえい、さらには海外にも精通する矢野吉彦のJRA・GI予想は「矢野吉彦の競馬日記」へ

毎週、3歳馬を格付け!丹下日出夫の「番付」がnetkeibaで復活!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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