先週の当コラムでは
京王杯SCをピックアップして、「今年も坂路調教馬、もしくは芝追い、P追いを中心に予想を組み立てれば良いでしょう。特に先週の結果を考慮すれば、坂路で速い時計を出せているパワー兼備の馬が理想的でしょう」とまとめました。
そして結果的に栗東坂路で本数多く、しかも最終追い切りでは4F52.0秒と速い時計を出していた
スズカコーズウェイが初重賞制覇を成し遂げました。
この結果を見て、ヴィクトリアマイルでも同じ調教条件に当てはまったザレマが勝ち負けすると予想しましたが、結果的には馬券圏外の4着に終わりました。
しかし今の東京芝は確実にスピードとパワーを兼備した馬が好走する馬場だと思うので、その傾向は3回東京の開催になっても続くものと思われます。
今週はオークスが行われますので、そのあたりも含めて
競馬総合チャンネル「今週の調教Gメン」で分析していきたいと思います。
そして23日からは中京競馬が開幕し、東海Sが行われます。過去5年の1〜3着馬の調教タイプは、
2004年1着 アンドゥオール(2人)/標準少めトラック
2着 タイムパラドックス(3人)/標準多め併用
3着 ヒシアトラス(7人)/軽目トラック
2005年1着 サカラート(6人)/急仕上げ坂路
2着 スターキングマン(9人)/急仕上げ坂路
3着 タイムパラドックス(1人)/乗込併用
2006年1着 ハードクリスタル(5人)/標準トラック
2着 マイネルボウノット(3人)/標準多め坂路主体
3着 アルファフォーレス(9人)/急仕上げ坂路
2007年1着 メイショウトウコン(2人)/標準多め坂路
2着 ワンダースピード(11人)/一杯平均トラック主体
3着 シャーベットトーン(6人)/急仕上げトラック
2008年1着 ヤマトマリオン(13人)/馬ナリ平均トラック
2着 ラッキーブレイク(16人)/標準坂路
3着 フィフティーワナー(2人)/標準多め坂路
となっています。
当コラムをずっと読んでいただいている方なら、すぐにお分かりだと思いますが、これまでの重賞過去5年に比べて、本数の少ない調教タイプ、つまり標準少めや軽目、急仕上げといった調教タイプがよく馬券に絡んでいることにお気付きいただけるでしょうか。
東海Sは2300mという長距離で行われるだけに、運動量が必要に思えるかも知れませんが、実際には平坦小回りのコーナーを6回も通過する息の入りやすい条件。道中の流れが厳しくなるということはほとんどない、だから本数が少ない調教タイプでも好走できるんだと思います。
ではどのような調教条件が必要になるのでしょう?それを示してくれるのが2005年から2007年まで3年連続して東海Sに出走した
アルファフォーレスです。
まずは調教タイプと人気着順の関係です。
2005年 一杯平均坂路/7人気7着
2006年 急仕上げ坂路/9人気3着
2007年 標準少め坂路/16人気14着
この3年から2006年になんらかの調教による違いがあったことが推測できます。それが最終追い切りの4F時計です。
2005年 53.5秒
2006年 52.0秒
2007年 55.0秒
最も速かった2006年が馬券圏内に入っており、最も遅かった2007年は惨敗しています。つまり坂路4Fで速い時計を出した馬が好走できるレースなのです。
アルファフォーレスと同厩舎であるスターキングマンも2005年に4F52.8秒という時計でしたし、その年の勝ち馬サカラートは4F52.0秒でした。
ですから今年も本数は全く必要ありません。最終追い切りで4F52秒前後のスピードを出していれば、十分に勝ち負けできるレースです。よって今週の追い切り情報は確実にチェックしてください。
最後は最終週となる新潟を解説しておきましょう。やはり馬券的に頼りになるのは芝外回りの坂路調教馬です。
先週も
3歳未勝利の
トーセンペトリュス(単970円)、
春日山特別の
サバース(単440円)などが坂路追いで1着となっています。
雨の影響で馬場が重くなると、調教適性以上に重馬場の巧拙が求められることになりますが、幸い今週末は良馬場で競馬ができそうなので、この調教傾向は使えるでしょう。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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