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目標はクラシック、超良血リアライズトロイカ

  • 2009年06月09日(火) 03時00分
ウインマリアベール(牝 美浦・国枝栄 父クロフネ、母ダイヤモンドビコー)
 「クロフネ×サンデーサイレンス+ラトロワンヌ血脈」という、フサイチリシャールやブラボーデイジーで成功している配合パターン。

 母ダイヤモンドビコーは阪神牝馬S(GII)、ローズS(GII)など重賞を4勝した活躍馬。父クロフネは名牝との配合で堅実に結果を出すタイプなので楽しめそうだ。2代母の父がパワー型のアリダーなので、伸びやかな瞬発力を発揮するというよりは、ローカルなどの小回りコースでマクるレースが合っていそう。ダートもいける。

エイシンフラッシュ(牡 栗東・藤原英昭 父King's Best、母ムーンレディ)
 母ムーンレディは牝馬ながら独セントレジャー(G2・芝2800m)を勝った。本馬の父King's Bestは英2000ギニー(G1)の勝ち馬で、歴史的名牝Urban Sea(競走馬として凱旋門賞を勝ち、繁殖牝馬として2頭の英ダービー馬を送り出す)の半弟にあたる。

 日本ではネヴァキングダム(4勝)、ビーオブザバン(4勝)が出世頭。芝向きで中距離に向く。本馬は父母双方にドイツ血統が色濃く流れる異色の血統。日本の高速芝に対応できるかどうかは未知数だが、その点さえクリアできれば大化けする可能性もある。

グランディソニアン(牡 美浦・萩原清 父シンボリクリスエス、母クイーンリザーブ)
 半姉ラベ(父ダンスインザダーク)はフィリーズレビュー(GII)4着馬。もう1頭の半姉ストラテジー(父フレンチデピュティ)は小倉2歳S(GIII)5着馬。母が小倉3歳S(GIII)3着馬なので「仕上がり早のスピードタイプ」という特長をよく伝えているようだ。

 本馬の父はシンボリクリスエス。やや鈍重なところがある種牡馬なのでMr.Prospectorとは相性がいい。本馬はそのパターンに当てはまっている。さらに、父の血統構成のひとつの核であるLa Troienne血脈の凝縮を、Seattle Slewをクロスさせることによって強化しているのも評価できる。芝・ダート兼用で仕上がりは早そう。

サトノサンダー(牡 美浦・藤沢和雄 父Smarty Jones、母Line of Thunder)
 米3歳牡馬チャンピオンのサンダーガルチ(父Gulch)、プロキオンSなど重賞4勝のバトルライン(父オジジアン)の半弟という良血。父はケンタッキーダービー(米G1)とプリークネスS(米G1)の米二冠を制したSmarty Jones。ここ数年、母Line of Thunderからはこれといった大物は出ていないが、いつ再噴火してもおかしくない。ダート向きのマイラー。

リアライズトロイカ(牡 栗東・森秀行 父Kingmambo、母Balistroika)
 全姉Russian Rhythmは、2003年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬に選出された名牝で、英1000ギニー(英G1)、コロネーションS(英G1)、ナッソーS(英G1)、ロッキンジS(英G1)と4つのG1を制した。KingmamboとNijinskyのニックスを持ち、近親にも多くの名馬がひしめいている超良血。

 日本向きの軽快さや、母の年齢に不安がないわけではないが、血統的なポテンシャルはきわめて高く、馬場に適応する能力があれば来年のクラシックも見えてくる。芝・ダート兼用で距離は万能。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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