コラム内容は先週に引き続く形で新潟と小倉のダート戦において、どのような調教タイプが好走したのかを検証しましょう。
まず新潟ダート1800mですが、初日のメインレースとして行われたのが柳都S。
勝ったのは馬ナリ平均坂路のトシナギサでしたが、逃げ切ってそのまま。そして2着には馬ナリ平均トラックのエアマックールが入りましたが、調教適性以上に先行できたことに勝因を感じるレース内容でした。
それもそのはず、馬場状態は雨の影響で不良。調教適性を活かしての差しは馬券圏内まで届きませんでした。
ただこのレースで最速の上がりを使ったアグネスネクタル、ブライアンズエッセはどちらも標準多め坂路で仕上げられていました。
そして同じ不良馬場でも馬場が回復しつつあった2日目の12Rでは、標準多め坂路のコスモフォースが直線鋭く伸びて単勝1,420円の差し切りを決めたので、「馬場さえ乾いていけば標準多め坂路が差せる馬場」という印象は残りました。
これから週末に向けて馬場が回復していくようであれば、今週末こそ標準多め坂路でしっかり稼がせてもらおうと思います。
続いて小倉ダート1700mですが、2日目桜島特別が最も高額条件として行われたレース。
勝ったのは馬ナリ平均トラック主体のタートルベイでしたが、標準多め坂路の2着スタッドジェルランは直線前が壁になって全く追えないシーンもありましたから、素直に着順だけを結果と受け止めるのはいかがなものかと思います。
またこのレースで競り合った標準坂路主体オシャレキングと乗込坂路タガノアッシュの着順が、オシャレキングが勝ち馬から2.2秒差の9着と大敗し、タガノアッシュは最後まで粘りを見せて0.7秒差の4着でした。
馬券にはなっていないといえ、坂路で本数多くがペースが速くなっても辛抱できる調教タイプであることは間違いなさそうです。
芝に関してはレコード決着が連発する小倉は調教適性を発揮するには馬場が良すぎます。逆に開幕週から調教適性が効果的なのは新潟の外回りでしょう。
初日は芝1800mで行われた五頭連峰特別は標準坂路、標準坂路、標準多め坂路で決着して3連複が10,980円。
このレースで2番人気だった標準トラックのスズジュピターが10着に敗れた点から新潟外回りは坂路が有利な馬場だと思います。
2日目は芝1800m牝馬限定戦の500万下で馬ナリ平均坂路のマイネエアウエイが9番人気で1着、そして芝2000mの糸魚川特別は2着3着が標準多め坂路、標準坂路という結果でした。
ただし坂路なら本数が少なくてもよいというわけではなく、糸魚川特別で4番人気だったブレーブビスティーが標準少め坂路で6着でした。
同じようなローテーションで急仕上げ坂路だったロベリア賞では2着という結果を残している点から、この馬自身は本数が少なくても好走できるものの、新潟外回りの芝2000mに対する調教適性が足りなかったと見てよいと思います。
なお札幌芝2000mで行われる函館記念については
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で取り上げたいと思いますので、そちらをご覧ください。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
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