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予期せぬトラブルにも…

  • 2009年08月15日(土) 10時00分
 毎週の新潟出張に加え、ばんえい競馬のイベントで帯広や名古屋の競馬場やAiba札幌などへの遠征、さらに最近恒例となっている高校野球観戦を兼ねた関西旅行などが重なり、この時期、日本中を駆けめぐっている私。その移動がスムーズにいくかどうかは大問題です。

 先週10日(月)には、名古屋競馬場の「ばんえい競馬・場立ち予想会」に行ってきましたが、これを無事に終了できたのは“奇跡”としか言いようがありません。先週は、10日(月)から13日(木)まで、埼玉・大宮のFM・NACK5で朝6時スタートの生ワイド番組にピンチヒッター出演していました(パーソナリティの大野勢太郎サンが夏休みのため)。局入りは朝の4時過ぎ。なので、前日から大宮のホテルに泊まって、歩いて“出勤”です。当然ながら、10日の名古屋遠征は、その合間を縫っての日帰りとなりました。もちろん、大宮〜名古屋の往復には新幹線を利用。大宮を朝9時半に出て、夜11時半頃に戻ってくるという強行軍でした。

 ところが、9日(日)夜の天気予報で、10日は台風9号が接近するため、東海や関東は大雨、それも雷を伴って激しく降る、と言っていました。こりゃタイヘン。もしも新幹線が不通になって名古屋に行けなくなったら、あるいは、帰りの新幹線が途中でストップして車内に缶詰になったら、などなど、いろいろな事態が想定されます。取りあえず代役の確保など、緊急事態への対応策を整えはしましたが、当日は不安を抱えながら大宮を出発したんです。

 そうしたら、何のことはありません。東京から名古屋までの間には大した雨は降らず、新幹線は往復ともにダイヤ通りの運転。名古屋競馬場にいる間も全く雨に見舞われることなく、名古屋遠征はつつがなく終了しました。

 で、11日朝。NACK5に“出勤”して、スタッフと「いやぁ、無事に行って帰ってこられてよかったですねぇ」なんて話していたら、突然の大揺れ。そう、あの駿河湾地震です。地震の後、きのう乗ったばかりの新幹線は始発からストップ。数時間後に運転が再開されてからも、速度規制やら線路点検やらで、ダイヤは終日混乱したとのこと。この地震が1日、いや半日早く起きていたら、いったいどうなっていたんでしょう? とにかく、今回は極めて運がよかったと思います。

 これまでの競馬や野球観戦旅行の際には、いろんなトラブルに直面してきました。フランスでは国鉄のストライキに遭遇。パリからニースへ行くのに利用しようと思っていた夜行列車が運休となり、重い荷物を引きずりながらホテル探しに奔走したことがあります。ニューヨークでも大雨の影響で当初予定していた搭乗便がキャンセルとなり、急きょとなりの空港に移動。予約を取り直して席を確保したものの、その便も欠航でニューヨークに足止めされたことがありました。

 ロンドンでは、予約していたホテルがインターネット回線の不具合で泊まれなくなり、代わりのホテルに回されたのですが、そこに同じような振り替え客が殺到してフロントが大混乱。チェックインに2時間近くかかった挙げ句、半地下でカーテンもなく、シャワーからは水しか出ないような部屋に泊まらされた、なんていうことも。ただこの時は、翌朝フロントに文句を言ったら、もう一晩はかなりいい部屋に泊まれましたが。

 3年前、2006年の秋はトラブル続きでした。まず、10月。ディープインパクトの凱旋門賞などフランス競馬を観戦して成田に戻ってきたら、飛行機が悪天候=強風で降りられず、羽田に着陸。ところが、羽田での降機は不可、ということで、成田の天候回復待ちとなり、結局、予定より6時間以上遅れてようやく成田に到着しました。帰宅しようとJRに乗ったら、これも悪天候でダイヤが大きく乱れていて、千葉の手前でストップ。運転再開の見込みは立っていないというので、仕方なくタクシー乗り場に並んだ途端に電車が動き出すという、悲惨な目に遭いました。

 さらに11月。妻と一緒にメルボルンCを観戦しに行ったときは、往きの飛行機を乗り継いだシドニーの空港で荷物の積み降ろしをしている職員がストライキに突入。カップデーに着るつもりだった私のスーツや妻のドレスなどが入った荷物を受け取れないまま、メルボルンに向かうことになっちゃいました。その荷物が私のもとに届いたのはメルボルンCの翌日。取りあえず往きに着ていったジャケットで競馬場に行った私はともかく、せっかくドレスアップして出かけようとしていた妻はため息、でしたね。

 この時のメルボルンCは岩田康誠騎手騎乗のデルタブルースが優勝しました。彼はその前々日の日曜日に京都で騎乗、関西空港からブリスベーン経由でメルボルン入りしたため、鞭やブーツなどの“装備品”は無事に受け取ることができました。もしも東京で騎乗してからシドニー経由で現地入りするスケジュールだったら、私と同じ状況に陥っていたわけで、鞭やブーツなどを“借り物”に頼らなければならなくなっていたら、あの快挙があったかどうか、なんて思ってみたりもしています。

 でもまぁ、これまで最大のトラブルと言えば、2001年の9月11日。あの同時多発テロにニューヨークで遭遇した、ということでしょうねぇ。あのときは競馬ではなく、シアトル〜ニューヨーク〜ボルチモア〜アナハイムと回る大リーグ観戦旅行の真っ最中だったんですが、事件が起きた直後はニューヨーク市内のどこで何があってもおかしくないと怖くなりましたし、飛行機を使ったテロだっただけに、当分は飛行機は飛べず、半月から1か月は帰れなくなるのでは、と考えたりもしました。実際には、その週末の「ウイニング競馬」を1回休んだだけですみましたが(後にも先にも、土曜日の競馬中継を欠席したのは20年間でこの時だけです!)。

 この時期は、新潟、小倉、札幌の競馬や全国の地方競馬観戦、お盆の帰省などで長距離を移動される方も多いと思います。車の渋滞は覚悟の上かもしれませんが、公共交通機関のダイヤの乱れは想定外。ひとたびそういうことが起きるとドキドキ、イライラしてしまいますよね。でも、悪天候や地震などにいつ見舞われるかはわかりません。ダイヤ通りにいかない場合も当たり前のようにあるんだ、ということを頭の片隅にいれておくのも大事。慌てずに落ち着いて、善後策を考えられるような、余裕の持てる人間になりたいものです。

 さて、当サイトの地方競馬ニュースや、ばんえい競馬のホームページ(※注)でもお知らせしているとおり、16日(日)、Aiba札幌駅前で須田鷹雄サンと私の「ばんえい競馬・場立ち予想会」が行われます。この日昼にJRA札幌競馬場やウインズ札幌などでクイーンSをお楽しみの方、そのレースの馬券(またはコピー)をお持ちいただき、ばんえいグランプリの馬券を1000円以上お買いあげいただくと、いろいろな賞品が当たる抽選会に参加できます。16日(日)夕方からは、ぜひAiba札幌駅前でばんえい競馬をお楽しみください。では、また来週。

※注【ばんえい競馬ホームページ】
http://www.banei-keiba.or.jp/event/aiba816.html

地方、ばんえい、さらには海外にも精通する矢野吉彦のJRA・GI予想は「矢野吉彦の競馬日記」へ

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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