今週、新潟ダート1800mで行われるのは新設の3歳ダート重賞「レパードS」です。
過去のレース調教傾向はもちろんのこと、3歳限定戦(もちろん未勝利を除きます)に幅を広げても過去から傾向を振り返ることができない重賞なので、参考にするのは今行われている新潟ダート1800mの調教傾向しかありません。
よって早速ですが、今年の2回新潟で行われた1000万下以上のレース結果を振り返ってみましょう。
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柳都S1着 トシナギサ(2)/馬ナリ平均坂路
2着 エアマックール(1)/馬ナリ平均トラック
3着 グランプリサクセス(7)/標準坂路
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麒麟山特別1着 トランセンド(1)/標準坂路主体
2着 クリストフォルス(5)/標準多め併用
3着 フレンチノワール(2)/馬ナリ平均坂路
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関越S1着 シルククルセイダー(4)/標準トラック
2着 メイショウクオリア(7)/一杯平均トラック
3着 サンマルセイコー(10)/標準トラック
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瀬波温泉特別1着 アドバンスウェイ(8)/標準トラック主体
2着 シャルルマーニュ(2)/標準トラック
3着 スタッドジェルラン(1)/スパルタ坂路
※( )内は人気
まず注目できる傾向としては調教本数が少ない「軽目」や「標準少め」といった調教タイプの好走がないこと。この傾向は今年のローカル競馬の特徴として当コラムで取り上げたことのあるクッション砂が0.5センチ厚くなり、調教量が必要な馬場になったことが要因だと思います。
雨が降って馬場が締まる時計の速いダートになるとこの調教傾向は薄くなりますが、晴れた良馬場であれば、まず調教本数が少ない馬は馬券対象から外して考えてよさそうです。
次のフィルターになるのが最終追い切りの馬場。
印象としては栗東坂路が好成績を残していると思いましたが、実際は[2-0-2-12]という成績で回収率も低調。調教量が必要な馬場ではあるものの、栗東坂路ほどのパワーは必要ないというところでしょう。
実は関越Sで1、2着した馬がどちらも函館Wで追い切られた馬だったんですが、函館Wといえば、小回りで5F65秒を切って不思議ないようなスピード馬場。この馬場で追い切られた馬が好走したということは「調教量は必要だけど、スピードも必要」というのが新潟ダート1800mに求められる調教適性ということでしょう。
それをデータとして示してくれたのがポリトラックで最終追い切りを行った馬の成績。該当馬が5頭いて[1-1-0-3]。単回収率614%、複回収率118%と馬券で使える数字を残しています。
ポリトラックはウッドチップに比べて時計の出やすい馬場ですし、左回り競馬場が主場となっている今は左回りで追い切ることができるので、新潟ダート1800mに近いイメージを持つことができる点が好結果に繋がっているように思います。
調教Gメンとは?
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論。それぞれのコースに必要な無酸素運動と有酸素運動の量やバランスを見極め、それに最も適した調教をしている馬を狙う馬券術。競馬新聞の調教欄に記載されている調教場所、調教本数、脚色(例:一杯)を確認するだけでOK。
調教コース&調教タイプの考え方
調教コースが「坂路」、調教タイプが「一杯平均」の馬は「
一杯平均坂路」に分類される。
調教コース一覧
【トラック】 ウッド、芝、ダートでの調教の本数が全体の8割以上の場合。有酸素運動の強化。
【坂路】 坂路での調教の本数が全体の8割以上の場合。無酸素運動の強化。
【併用】 トラックと坂路の併用で、どちらかの調教本数が全体の3割以上の場合。有無酸素をバランス良く強化。
【トラック主体】 トラックと坂路の併用で、坂路調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。有酸素運動寄り。
【坂路主体】 トラックと坂路の併用で、トラック調教の本数が全体の2割以上3割未満の場合。無酸素運動寄り。
調教タイプ一覧&イメージ図
netkeiba.comプレミアサービスはJRA全レースの調教を公開中! どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。