8月24日(月)より28日(金)までの5日間の日程で北海道市場を会場に「サマーセール」が始まっている。幸い好天に恵まれ、初日と2日目を終了した段階だが、前年を大きく上回る成績で推移しており、嬉しい誤算とも言うべき状況になっている。
気温20度。いかにも北海道らしくカラッと乾燥した晴天で、まだ8月だというのに気候は完全に秋の空だ。考えて見ると、今年の「夏」はいったい何日あったのだろう? 梅雨に似た長雨に祟られ、7月以来ほとんどお盆くらいまでは不安定な空模様が続いた。ようやく天候が安定したと思ったらもうすでに秋になっていた…という感じなのだ。
最終的にはどの程度の成績になるのか何とも予測できないものの、冒頭で触れたように現時点(2日目終了時)では、かなり順調な滑り出しと言える。
初日の開始直後こそ、主取りがしばらく続き、関係者を慌てさせる場面もあったが、途中から徐々に声がかかり始めた。終わってみれば初日は上場頭数227頭(前年比-2頭)のうち、74頭(前年比+16頭)が落札され、売却率は32.6%と前年比7.27ポイントも増加した。
売却総額は3億2539万5千円。前年より9345万円の増。牡の平均が488万5588円、牝が331万4348円。合わせて439万7230円である。こちらも前年比で39万8178円の上昇。
好調の波は2日目にも続き、さらに活発なせりとなった。
2日目は221頭(前年比-9頭)が上場され、落札は95頭(前年比+17頭)、売却率は42.99%(前年比+9.07%)に達した。売却総額は4億3659万円。平均は牡が509万8125円、牝が387万4231円。合わせて459万5684円。
あくまでも2日目終了時のデータだが、448頭(牡245頭、牝203頭)上場で、169頭(牡107頭、牝62頭)が落札され、これまでのところ37.72%の売却率で推移している。昨年の2日目終了時では29.63%しか売れていなかったので8.09%も上昇している。
また売り上げも昨年は5億5282万5千円だったが、今年は2億円以上も多い7億6198万5千円となっている。平均価格も、現段階での話だが前年より10%あまり高い450万8787円である。
2日間のうちで最高価格となっているのは373番「ダンツシュアー2008」(父ロックオブジブラルタル、母ダンツシュアー、母の父Storm Cat、牡鹿毛)の1785万円(税込み)。新ひだか町の谷岡正次牧場生産、コンサイナーはハッピーネモファームである。
5日間の長丁場ゆえ、まだまだ先のある市場だが、今のところ予想をかなり上回る活発な市場になっている。これが単なる偶然なのか、それとも然るべき根拠のあることなのか何とも判断しかねるが、このままの勢いを保ったまま5日間を乗り切って欲しいところだ。
なお、市場を主催するHBA日高軽種馬農協は、このサマーセールでも、取引馬が2歳戦の重賞に優勝もしくは3着以内に入った場合、奨励金を交付することをすでに決めている。中央競馬の場合、GIで1着1000万円、2着400万円、3着260万円。GIIで1着300万円、2着120万円、3着78万円。GIIIで1着100万円、2着40万円、3着26万円。
また地方競馬においても、2歳ダートグレード競走(指定交流)にこの奨励金が適用される。JpnIが1着500万円、2着200万円、3着130万円。JpnIIが1着150万円、2着60万円、3着39万円。JpnIIIが1着50万円、2着20万円、3着13万円。
こうした取り組みが即座に効果を上げつつある、などと即断することはできないが、中央地方ともに競馬を取り巻く環境は決して明るいとは言いがたいにも拘わらず、この健闘ぶりはいったいどうしたことか。
ともあれ、まだ3日間も残っている。好調な前半の結果がぬか喜びにならぬことを願うばかりだ。