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ネオユニ×ノーザンのネガティヴニックスを覆せるか、良血シャガール

  • 2009年09月15日(火) 00時00分
 アーリーデイズ(牡 栗東・中竹和也 父Leroidesanimaux、母Java Drums)
 今年4月、キーンランドのトレーニングセールで1F10.0秒を記録し、21万ドルで購買された快速馬。父Leroidesanimauxはブラジルで生まれ、のちにアメリカへ渡って芝牡馬チャンピオンに輝いた。母Java Drumsはミルリーフを生産したことで有名なポール・メロンの生産馬で、現役時代は米3勝。2代母Battle Drumは名種牡馬Topsiderの半妹にあたる。アメリカ産馬らしく大味な血で構成されているものの、Spring Run≒Flaming Page≒Tom Fool 5×5・6、Irule≒Drumtop 5×3、RobertoとGraustarkのニックスなどがあり、意外に悪くない。フィジカル面はかなりのものと思われるので、日本の馬場に対応できれば自ずと結果はついてくるはず。芝・ダート兼用のマイラー。

 シャガール(牡 美浦・藤沢和雄 父ネオユニヴァース、母スカーレットブーケ)
 ダイワメジャー(父サンデーサイレンス/GI・5勝)、ダイワスカーレット(父アグネスタキオン/GI・4勝)の半弟。父ネオユニヴァースは兄姉と同じくサンデー系なので血統構成は近い。ただ、「ネオユニヴァース×ノーザンテースト」の組み合わせは、過去7頭が出走してわずか1勝しか挙げていない(芝では24戦未勝利)。もちろん、希代の名牝スカーレットブーケの子なので、そんなデータなど軽く吹っ飛ばしてしまうかもしれないが。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

 ダノンシュナップス(牡 美浦・国枝栄 父デュランダル、母ミスベルベール)
 半姉ダノンベルベール(父アグネスタキオン)は、阪神ジュベナイルF(GI)2着、クイーンC(GIII)2着。父デュランダルは今年の新種牡馬で、現役時代はマイルCS(GI)2回、スプリンターズS(GI)などを制した。産駒は素軽そうなわりに勝ち上がり率がもうひとつだったが、ジュエルオブナイルが小倉2歳S(GIII)を勝ち、今後に弾みをつけた。母系にLyphardを持つデュランダル産駒は現時点で4頭がデビューして4着が最高着順。本馬にとって好ましくないデータではあるが、まだサンプルが少ない段階であり、ダノンベルベールの半弟という良血なので、ジンクス程度の受け取り方でいいのかもしれない。芝向きのマイラー。

 ピエナスカイ(牡 栗東・木原一良 父サクラバクシンオー、母フラワースカイ)
 半姉ナリタシークレット(父フジキセキ)はOPクラスまで出世したスピード馬。2代母フレイムオブパリは、Alydaress(89年愛オークス-愛G1)、Park Appeal(84年英・愛2歳牝馬チャンピオン)、Desirable(83年チェヴァリーパークS-英G1)の半妹にあたる良血。母系にNijinskyを持つサクラバクシンオー産駒はニックスで、ショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)など多数の活躍馬が出ている。短距離向きの配合としては上々で、仕上がりも早そう。

 ビジュアルショック(牝 栗東・角居勝彦 父Kingmambo、母Reach for the Moon)
 母Reach for the Moonは、アグネスデジタル(01年香港C-G1、01年天皇賞・秋-GIなどGIを6勝)の半妹、ジャリスコライト(06年京成杯-GIII)とシェルゲーム(04年毎日杯-GIII・2着)の半姉で、2歳時に1マイルの英G1で3着。母系には父Kingmamboと相性のいい血が散りばめられており、日本向きかどうかは別として配合は上々。半兄リトルドア(父Storm Cat)は1戦1勝と素質を示している。ダート向きのマイラー〜中距離馬だろう。底力があるので楽しみが大きい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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