トウショウフリーク(牡 栗東・鶴留明雄 父キングカメハメハ、母タバサトウショウ)
半姉スイープトウショウ(父エンドスウィープ)は宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)、秋華賞(GI)など6つの重賞を制した女傑。馬名がついた兄弟は6頭いるが、スイープトウショウ以外はJRAで勝っていない。本馬の父はキングカメハメハ。全兄トウショウデザイアが未勝利馬なので微妙なところではあるが、配合自体はそれほど悪くないので走っても不思議はない。芝向きのマイラー。
パルラメンターレ(牡 栗東・池江泰寿 父Empire Maker、母Knight Prospector)
母Knight Prospectorはアメリカでダ6.5fのG3を勝った。繁殖牝馬としても優秀。本馬の半兄エストレーノ(父Holy Bull/02年兵庫チャンピオンシップ-GII・2着)、コンプレッソ(父Golden Missile/準OP)、インオラリオ(父Holy Bull/1000万下)、半姉ファミッリア(父Holy Bull/500万下)といずれも堅実に走っている。本馬の父Empire Makerは現役時代にベルモントS(G1)を制覇。種牡馬としてもまずまず成功している。その父系はUnbridled→Fappiano→Mr.Prospectorとさかのぼる。堅実味のある血統なので早いうちに勝ち上がれそうだ。ダート向きの中距離馬。
マツリダジャパン(牡 美浦・国枝栄 父ロージズインメイ、母ペイパーレイン)
半兄マツリダゴッホ(父サンデーサイレンス)は有馬記念(GI)を制したほか、オールカマー(GII)3連覇など、中山コースでとくに強さを発揮している。本馬の父は新種牡馬ロージズインメイ。現役時代にドバイワールドC(G1)を勝った名馬で、初年度産駒となる今年の2歳世代は現時点で5頭が勝ち上がっている。まずまずの成績だ。連対率ベースではダートのほうが良く、血統的に見ても基本的にはダート向きだと考えられるが、非主流血脈で構成されているせいか自身の特徴を強く主張するタイプではなく、母系の特徴を表に出しやすい種牡馬だ。本馬はClandestine=Double Agent 4×4という珍しい同血クロスがある。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
マロノヴィーナス(牝 美浦・久保田貴士 父タニノギムレット、母タンザナイト)
半姉モルガナイト(父アグネスデジタル)は現3勝。9月に阪神芝1800mで1分45秒1のコースレコードを樹立した。母タンザナイトは3勝馬で、秋華賞(GI)に出走した経験もある。その半弟にはジャパンCダート(GI)を勝ったアロンダイトがいる。母系にRivermanを持つタニノギムレット産駒なのでウオッカと配合構成が似ている。Hermiere≒Rajput Princess 4×4はなかなかユニークで、高い素質を感じさせる。芝向きの中距離タイプ。
エアウルフ(牡 栗東・角居勝彦 父フレンチデピュティ、母エアシャキーラ)
母エアシャキーラは未勝利馬だが、マンハッタンカフェ(01年菊花賞-GI、01年有馬記念-GI、02年天皇賞・春-GI)の半妹、ビワハイジ(95年阪神3歳牝馬S-GI)の従姉妹にあたる良血。ドイツの名牝Suleikaの流れを汲む名牝系の出身だ。父フレンチデピュティは、Mr.Prospectorを抱える繁殖牝馬との組み合わせで無難に成功している。本馬はそのパターン。芝向きのマイラーだろう。
スマートフォーカス(牡 栗東・宮徹 父キングカメハメハ、母マッチザピース)
母マッチザピースはJRA・2勝馬。その全弟にパープルエビス(00年スプリングS-GII・2着)、半弟にトウカイポイント(02年マイルチャンピオンシップ-GI)がいる。「キングカメハメハ×ジェイドロバリー」はキングスレガリア(08年デイリー杯2歳S-GII・3着)と同じ組み合わせ。この配合はKingmambo≒ジェイドロバリー2×2というクロスが生じるので注目できる。本馬の全兄キングスビレッジも2戦1勝(2着1回)と見どころのある馬だ。確実に走ってきそう。
ゼローソ(牡 栗東・池江泰郎 父ダンスインザダーク、母アランセラ)
半兄サブジェクト(父フジキセキ)はラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)の勝ち馬。もう1頭の半兄カヴァリエ(父サクラバクシンオー)は新潟2歳S(GIII)5着馬。母アランセラはDixieland Bandを父に持つ外国産馬で、現役時代に6戦4勝と素質を見せた。「ダンスインザダークDixieland Band」は菊花賞馬デルタブルースと同じ。底力あふれるスタミナタイプで、3歳夏を越してから本格化しそうなイメージだが、兄が2歳戦から活躍しているので、案外早くから走ってくるかもしれない。