ジョウノルビー(牝 栗東・牧浦充徳 父ブライアンズタイム、母シーズグレイス)
母シーズグレイスは重賞未勝利に終わったものの、ローズS(GII)2着、フェアリーS(GIII)2着など優れた成績を残した。繁殖牝馬としてもシャドウスケイプ(父フォーティナイナー/04年根岸S-GIII、04年クラスターC-GIII)を産んでいる。本馬はブライアンズタイムを父に持つので、リンリンリン、シュウマノチカラ(いずれも準OP)の全妹にあたる。兄2頭はいずれもパワー型の短距離馬。本馬もやはりダートの短いところを得意とするだろう。
ヤマカツハクリュウ(牡 栗東・松元茂樹 父クロフネ、母ヤマカツリリー)
2代母リンデンリリーはエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬。母ヤマカツリリー(父ティンバーカントリー)はフィリーズレビュー(GII)を勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)2着、秋華賞(GI)3着。2代続けてGIで勝ち負けを果たした牝系に、クロフネを交配して誕生したのが本馬。クロフネは名牝との交配で手堅く結果を出すタイプ。配合的にこれといって悪い点は感じられないので、しっかり走ってきそうだ。母の父がティンバーカントリーなのでダートも苦にしないはず。
ルアーズストリート(牝 栗東・平田修 父キングカメハメハ、母フィラストリート)
半姉ブロードストリート(父アグネスタキオン)はローズS(GII)をレコード勝ちし、秋華賞(GI)でも2着。母フィラストリートは切れ味を伝えるCozzeneの子で、Grey Sovereign 4×4。瞬発力の源泉はここにある。本馬の父キングカメハメハは切れるタイプではないので、こうした点を補うこの母は好ましい。Cozzeneの父Caroを持つキングカメハメハ産駒は、全日本2歳優駿(GI)2着のナサニエルを始め堅実に走っている。芝向きのマイラー。
レオパステル(牝 美浦・奥平雅士 父キングカメハメハ、母ズーナクア)
母ズーナクアは現役時代にアメリカでオークリーフS(G1)など重賞3勝。日本にやってきてからダイヤモンドS(GIII)を勝ったトウカイトリック(父エルコンドルパサー)を産んだ。本馬の父はキングカメハメハ。兄の父エルコンドルパサーと同じくKingmanboを父に持つ。ただ、産駒の傾向はかなり違うので、長距離向きということはないだろう。「キングカメハメハ×Silver Hawk」はカウアイレーン(現1000万下)と同じ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
ヴァルガリス(牡 美浦・加藤征弘 父アグネスタキオン、母ライラックレーン)
半兄フィフスペトル(父キングカメハメハ)は函館2歳S(GIII)の覇者で、朝日杯FS(GI)でも2着となった強豪。母ライラックレーンは、Nijinsky 3×3、Never Bend≒Nanticious 3×3という強烈な凝縮を持っており、繁殖牝馬として大いに期待ができる存在。本馬の父はアグネスタキオンなので、切れ味鋭いマイラーとなりそうだ。兄2頭はいずれも新馬勝ちを果たしているので初戦から注目。
エクスキタテヤマ(牝 栗東・武田博 父フォーティナイナー、母フラワータテヤマ)
全兄ヴァンクルタテヤマはプロキオンS(GIII)などダート重賞4勝。「フォーティナイナー×ブライアンズタイム」という組み合わせで、Ribot 4×5というクロスを持つ。2代母はギャロップダイナ(天皇賞・秋と安田記念の覇者でダートでも強かった)の全妹。どこからどう見ても砂の鬼という配合だ。兄と同じ武田博厩舎に入ったので、仕上げに関しても安心感がある。
バルトーロ(牡 栗東・角居勝彦 父ダンスインザダーク、母ポトリザリス)
半姉ディアデラノビア(父サンデーサイレンス)はフローラS(GII)など3つの重賞を制したほか、オークス(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)などで3着となった。全兄クルサードは若駒S(OP)でハナ差2着のあと骨折、道半ばで引退した。母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑で、母の兄弟姉妹には3頭のG1ウィナーがいる。そのうちの1頭Potrideeは亜2歳牝馬チャンピオンに輝いている。近年のアルゼンチンを代表する名牝系に属しており、ポテンシャルはきわめて高い。クルサード級の活躍を期待したい。