マイルストーン(牝 栗東・矢作芳人 父タイキシャトル、母インヴァイト)
全兄ウインクリューガーは、NHKマイルC(GI)とアーリントンC(GIII)の覇者。母インヴァイトはウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)の半姉にあたる良血で、血統的な魅力も大きい。2歳上の全兄ヤッパリグランプリは中央未勝利に終わったが、全兄弟だからといってすべてが走るわけではなく、馬のデキに左右される面があるのは仕方がない。ウインクリューガー級の活躍を期待したい。
マキシムカフェ(牝 美浦・小島太 父マンハッタンカフェ、母カフェピノコ)
「マンハッタンカフェ×ジェイドロバリー」という組み合わせはイコピコ(09年神戸新聞杯-GII)と同じ。また、母系にBlushing Groomを含んだマンハッタンカフェ産駒には、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、メイショウクオリア、ココナッツパンチ、オリエンタルロック、ベストメンバー、ヤマニンウイスカーといった活躍馬がいる。要するにいいとこ取りをした配合なのだが、問題はジェイドロバリーとBlushing Groomの間にStorm Catを挟んでいる点。この血はアメリカを代表するパワー型マイラーで、かなり癖が強く、父マンハッタンカフェの伸びやかさを消してしまう懸念がなきにしもあらず。芝・ダート兼用のマイラー。
ミッドタウンレディ(牝 栗東・長浜博之 父ゼンノロブロイ、母ファビラスラフイン)
母ファビラスラフインは3歳秋に秋華賞(GI)を勝ち、続くジャパンC(GI)でもシングスピールのハナ差2着となった名牝。繁殖牝馬としてはこれまでにシュペリユール(5勝)、ラブリネスオブパリ(3勝)、ファビラスボーイ(2勝)などを出している。気性面に難のある子が目立ち、スピードを伝えきれていないので、重賞戦線で活躍するような産駒はまだ出していない。本馬の父はゼンノロブロイ。母は主流血統が希薄なので、サンデーとMr.Prospectorを含んだ父は良さそう。芝向きの中距離馬。
ローレルレヴァータ(せん 栗東・加用正 父マヤノトップガン、母ラブリーサンライズ)
本馬は母ラブリーサンライズが23歳時に出産した。珍しい高齢出産というだけでなく、京成杯オータムH(GIII)を勝ったサンライズアトラス(父ナスルエルアラブ)、プロキオンS(GIII)2着のサンライズキング(父キンググローリアス)、OPクラスで活躍中のマイプリティワン(父マヤノトップガン)の下にあたるので要注目。全兄マイプリティワンはダートで頭角を現したが、血統を見ると芝でも走れそう。芝・ダート兼用の中距離馬。
アグラフェーナ(牝 栗東・白井寿昭 父フジキセキ、母ミスカースティー)
半兄マルカフェニックス(父ダンスインザダーク)は阪神C(GII)の勝ち馬。母ミスカースティーはRose Bower≒Sir Gaylord 3×3があるので、比較的距離がもつ傾向があるMiswaki産駒のなかではスピード色の強い部類に入る。父フジキセキはMr.Prospectorを含んだ繁殖牝馬と好相性を示しており、過去にこの配合からカネヒキリ(05、08年JRA賞最優秀ダートホース)、コイウタ(07年ヴィクトリアマイル-GI)、エイジアンウインズ(08年ヴィクトリアマイル-GI)、テンシノキセキ(03年セントウルS-GIII)をはじめ多数の活躍馬を出している。本馬はこのパターン。芝向きのマイラー。
カトルズラパン(牡 美浦・杉浦宏昭 父クロフネ、母アグネスショコラ)
半兄ゴールデンチケット(父キングカメハメハ)は兵庫チャンピオンシップ(GII)でスーニを破って優勝したほか、毎日杯(GIII)2着、ジャパンダートダービー(交流GI)3着などの成績がある。2代母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)、京王杯SC(GII)の勝ち馬。父クロフネは、質の高い繁殖牝馬との交配で無難に結果を出すタイプで、母の父がサンデーサイレンスなら信頼性が高い。芝・ダート兼用のマイラー。
ソリタリーキング(牡 栗東・石坂正 父キングカメハメハ、母スカーレットレディ)
半兄ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー)はダートGIを8勝した希代の名馬。このほか、サカラート(父アフリート/ダート重賞4勝)、キングスエンブレム(父ウォーエンブレム/すみれS-OP)、スカーレットベル(父エリシオ/5勝)など、兄姉は父を問わず走りまくっている。父キングカメハメハは、産駒全体の成績に比べ、母の父にサンデーサイレンスを持つ産駒のほうが成績が下がるという稀な傾向を持つ種牡馬。本馬はこのパターンに当てはまるだけにやや気がかりだが、母スカーレットレディは特別な能力を持っているので、一定以上の成績は期待できる。芝・ダート兼用で1800mあたりがベスト。