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香港国際競走4レースの登録馬が発表

  • 2009年12月01日(火) 23時59分
 12月13日に香港のシャティンで行われる国際競走4レースの登録馬が発表になった。

 例年以上に好メンバーが集まり、凄い戦いになりそうなのが、距離1200mで争われる香港スプリントだ。まず、目下グローバルスプリントチャレンジのポイントリーダーで、ここを勝てば100万ドルのボーナスを手にするシーニックブラストが、豪州からエントリー。同じ豪州からは、G1・8勝という短距離界の古豪アパッチキャットや、グローバルスプリントチャレンジ第7戦のパティナックファーム・クラシックを制した新興勢力のオールサイレントも参戦予定。欧州から、凱旋門賞当日にロンシャンで行われた1000mのG1アベイユドロンシャン賞勝ち馬トータルギャラリーと、5FのG1ナンソープSを昨年・今年と連覇しているボーダレスコットが飛来。北米からは、11月7日にサンタアニタで行われたBCターフスプリントの覇者カリフォルニアフラッグと、同レース3着馬キャノンボールが。そして日本から、スプリンターズSの覇者ローレルゲレイロが参戦。このメンバーを迎え撃つのが、香港の短距離王で、ワールド・サラブレッド・ランキングでも目下短距離部門の世界首位に立つセイクリッドキングダムという、スプリント界のオールスターキャストの様相を呈している。

 ローレルゲレイロにとっては、地獄のような組み合わせだが、逆にこの顔ぶれを破って優勝すれば、このディヴィジョンの世界王者の座に一気に昇り詰めることになる。

 例年は比較的メンバーが手薄で、「空き巣」と言われることも少なくないのに、今年はなぜかツワモノが揃ったのが、2400mの香港ヴァーズだ。

 まずはこの路線の総本山・欧州から、大量7頭がエントリー。筆頭格は、凱旋門賞3年連続2着という、名誉なんだか不名誉なんだかわからぬ凄い記録を作ったユームザインで、G1サンクルー大賞典の勝ち馬スパニッシュムーンが2番手。デビューから無敗の4連勝で、前走G2ロワイヤリュー賞を制したフランスの3歳牝馬ダーヤカナも不気味。そして地元に、このコースのレコードタイムを保持するG1・7勝馬ヴィヴァパタカがいるという陣容は、昨年のこのレース3着馬ジャガーメイルと言えども、ウカウカしていると馬券に絡めぬ心配がある分厚い組み合わせである。

 その一方で、例年に比べるといくらか手薄なのが、メインレースの2000m戦・香港Cだ。

 1番人気は、ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズSを含めてG1・3勝というフランスの強豪ヴィジョンデタか。これに続くのが、春のクイーンエリザベス2世S勝ち馬プレスヴィスと、昨年のこのレースの勝ち馬イーグルマウンテンあたり。地元代表が、昨シーズンの香港ダービー勝ち馬で、前哨戦のカップトライアルを制したコレクションで、カップトライアルで3着に入った上がり馬のミスターメディチがこれに続く。決して弱いメンバーではないが、例年ほどの水準にはなく、なおかつ強力な先行馬は見当たらない。すなわち、クィーンスプマンテが自分の競馬に持ち込める公算が強く、そうだとしたら、前走の再現もありえるはずだ。

 香港マイルも、日本馬不在が惜しまれる顔ぶれになった。

 このレース3連覇を目指すグッドババに、往年の盤石の強さは見られず、欧州代表が、春のG1ロッキンジSハナ差2着のアレグザンドロスや、前走G1フォレ賞で短頭差2着のスウィートハースあたり。昨年の2着馬エイブルワン、3着馬エジプシャンラーといった地元勢がそこそこ人気になるようなメンバーなのだ。カンパニーおじさんに、もうひと踏ん張りお願いすれば良かった、というのが、日本人としての正直な気持ちである。

 12月13日は、香港の空に君が代のメロディーが3回こだまする、というのが理想だが、少なくとも一度は、センターポールに日の丸が翻ることになって欲しいものだ。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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